2011年3月16日 自然科学研究機構 核融合科学研究所
東北・関東大震災の被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
核融合科学研究所のすべての装置に被害はなく、大型ヘリカル装置は予定通りのメンテナンス作業を継続しています。また、放射性物質は保有していませんので、放射性物質の漏えいという事象は起こりません。 さて、今回の大震災による福島原子力発電所の事態、および関東・東京地区での計画停電等を目の当たりにすると、将来の基幹となるエネルギー源について、改めて考える必要に迫られます。 30年以内の実現を目指している核融合発電は、その仕組みが原子力発電とは全く異なります。核融合発電では、外部から少しずつ燃料ガスを供給してプラズマ状態にして反応させるため、燃料ガスの供給を止めれば、あるいはプラズマを消せば、反応は即座に停止します。完全に停止しますので、停電しても大丈夫です。このように、将来の核融合発電所には本質的に安全な仕組みがあります。また、その燃料は海水から無尽蔵に得られ、二酸化炭素も放出しないので、ぜひとも次世代の基幹エネルギー源として、1日も早く実現する必要があります。
核融合科学研究所が現在計画している重水素実験を実施することができれば、核融合発電所の設計をより現実的に行うことができます。現在の水素ガスに代わって重水素ガスを使用した場合、より高温のプラズマが生成されますが、ごく一部0.01%のガスが核融合反応を起し、トリチウム(放射性物質)と放射線を発生します。これらは、回収および遮へいしますので、環境には全く影響を与えません。地震が発生した場合には、震度4および緊急地震速報で自動的にガスと電気の供給を停止し、プラズマを消します。プラズマは即座に消えます。プラズマが消えれば、放射線の発生も即座に止まります。核融合発電と同じく、反応が継続することはないため安全です。このように、計画している重水素実験は安全に実施することができます。
安全で無尽蔵のエネルギー源として、一刻も早く核融合発電を実現するべく、研究所は全力で取り組みますので、今後もご理解、ご支援をよろしくお願いします。