HOME > 教育 > 専門高校の技術研修協力(日本版デュアルシステム)> H23(多治見工業高校)

専門高校の技術研修協力(日本版デュアルシステム)

平成23年度 デュアルシステム(多治見工業高校)

  1. はじめに
     多治見工業高校は、平成16年度より文部科学省から「日本版デュアルシステム」についての研究指定を受け3ヵ年計画で研究を推進してきた。「デュアルシステム」は、元来学校(理論)と企業(実習)の二者が協同して生徒を一人前の職業人に育ててきた西ヨーロッパの伝統的な教育制度であり、これを日本の教育制度に適合する形で導入しようとしたものが「日本版デュアルシステム」である。このシステムはインターンシップと違い、2週間以上におよぶ長期の派遣実習であり、その目指すところは、学校では難しい「高度な知識・技術」の習得や「勤労観・職業観」の育成、さらに生徒自身の「進路設計」への指針等にあり、ゆくゆくは地域の担い手となる技術者養成を期待するものである。研究所は、平成17年度からこのシステムの受入れ先として多治見工業高校に協力してきた。平成18年度に「日本版デュアルシステム」としての活動が終了した後も学校の要請により引き続き「研究者・エンジニアとしてのモノの見方、考え方を育成する」ということに主眼をおいて生徒の受入れを行っている。7年目を迎えた今年度も電子機械科の3年生4名を受入れた。今年度のテーマは、研究所の実験に直接関わるものとして、「LHD真空容器内周回移動体の開発」とした。活動期間は4月下旬から1月中旬までの金曜日午後1時から2時間程度を基本に17回実施した。
  2. 概要
     目標は、これまでどおり10月末にあるNIFSオープンキャンパス高校生科学研究室及び1月末にある多治見工業高校電子機械科学科内発表会での成果発表とした。
    研究所は、真空容器内周回移動体を、将来プラズマ実験に使用する計測器の較正実験に使用することを計画している。この移動体には、較正データを精度良く収集するために96時間連続でLHD真空容器の中を一定速度で回り続けることが要求される。このような装置は、すでにアメリカのプリンストン大学の核融合実験装置で使用されており、市販の電車模型(Gゲージ)を利用して安価な装置を開発している。今回は、これを参考にして、96時間の連続運転に耐えるLHD真空容器内周回移動体を製作することにした。Gゲージは模型の縮尺が1/22.5と大きく、レール幅45mmと安定感のあるものではあるが、日本では製作されていない。そこで、レール幅32mmのOゲージを使用することにし、生徒へは、モータの耐久試験をするための台車を製作してもらうこととした。台車製作には、モータ試験のために容易にモータが交換できること、最大96時間の長時間の運転に耐える車輪や集電装置の製作等の課題がある。
     まず1号機を製作した。1号機は、とにかく作るということで始めた。生徒には、電車模型がどんなものかもわからないということで、担当の先生は、最も一般的なNゲージをわざわざ購入して見せるところから初めた。1号機は、この電車模型から得た情報から、とりあえず手に入る部品で製作した。電車模型は、レールから集電してモータを駆動させる直流2線式で動くが、車輪とシャフトの絶縁や集電方法等生徒たちはずいぶん苦労したようだ。こうしてできあがったのが1号機である(写真参照)。これを、研究所で購入したテスト用レールで試験走行したところ、いろいろな不具合が発生した。しかし、ゼロから生徒自身が製作したことを考えるととても大きな成果であった。
     この後2号機、3号機を製作したが、走行性能等がかなり改善され、オープンキャンパスでは、これらの台車を実際に走らせることができた。
1号機 部品のテスト
1号機 部品のテスト
  1. まとめ
    今年度は「LHD真空容器内移動体の開発」を課題にして、モータ試験のため台車製作を目指した。ゼロからのスタートでかなり苦労したが、走行できる台車を作ることができた。このことは、社会においてこれから物づくりしていく生徒にはとても良い経験になったのではないかと思う。
オープンキャンパスの様子 平成23年度の生徒達
オープンキャンパスの様子 平成23年度の生徒達

連絡先

核融合科学研究所 管理部 総務企画課 対外協力係
電話:(0572)58-2019
E-mail:taigai-kakari@nifs.ac.jp