かくゆう合発電と原子力発電はどうちがうの？

Ａ：例えば水素のような軽い原子の原子かくを高い温度でぶつけて、少し重たいヘリウムのような原子かくに変えてしまうことをかくゆう合といいます。そして、水素の100倍以上も重いウランのような原子の原子かくを２個にわってしまうことをかく分れつといいます。どちらも起こったら大きなエネルギーが取り出せます。かく分れつのエネルギーを使って電気を作る発電所は日本にすでに50ヶ所ほどあります。

　かくゆう合発電から放射線はでるの？

Ａ：かくゆう合発電では、かくゆう合が起こったプラズマから中性子という放射線がでてきます。この中性子のエネルギーをもらって電気を作るので、とても大切なものです。だから、かくゆう合発電ろの中でほとんどが熱に変わってしまい、消えてしまいます。残りの中性子はコンクリートのかべで止めることができるので、発電所の建物の外にはもれてくることはありません。もう一つ。燃料に使われる三重水素(記号：T)は、β線をだす放射能を持っています。でもそのβ線の力は弱くて、空気の中を5ミリメートルも飛ぶと止まってしまうほどです。だからきちんとしまっておけば、大じょう夫です。また自然にも少しあるものだから、それくらいうすくただよっているのなら、心配はいりません。

　放射線って何ですか？

Ａ：放射線というのは、私たちの周りを飛び回っている原子かくやもっと小さなつぶ（素りゅう子）のことをいいます。放射線には○○線というふうに、名前がついています。みんなが一番、よく聞く放射線は、たとえばX（エックス）線があります。レントゲン写真をとるときに使われていますね。X線と同じように波長の短いのにγ（ガンマ）線があります。原子の中の電子だけが飛んでくるとβ（ベータ）線といいます。原子の中の原子かくの中の中性子が飛んでくると中性子線といいます。ちょっと変わったものでは、ヘリウムの原子かく（陽子２個と中性子２個のかたまり）が飛んでくることがあります。これをα（アルファ）線といいます。放射線は、それぞれとくちょうがあり、物をつきぬけていく能力がちがいます。たとえばα線は紙をつきぬけることができません。β線はアルミニウムなどのうすい金属板でくいとめられます。X線はからだの中をつきぬけることができるのでレントゲンに使われます。線によってとくちょうがあり、そのとくちょうをいかしてさまざまなところで利用されています。

　放射線はこわいの？

Ａ：放射線はどうして私たちの周りを飛び回っているのでしょうか。それは放射線を自然に出すものが周りにたくさんあるからです。たとえば大地、宇宙、食物・・・。放射線を出す性質を「放射能」といいます。放射能を持つものは私たちの周りにもあるから、自然にある量ではこわがる必要はありません。でも人工的に作られた放射線をたくさん浴びると体に害があります。だから法律でこれ以上の放射線を浴びてはいけませんという量が決められています。レントゲン写真をとるぐらいのX線なら、浴びてもだいじょうぶです。

　半減期ってなんですか

Ａ：放射能をもった原子が、放射線を出してしまうと、もうその放射線を出さなくなってしまいます。例えば100個の放射能をもった原子のかたまりがあって、そのうち50個が放射線を出してしまったとしますよね。そしたら放射能をもった原子は50個に減ったことになります。これを「放射能が減った」とか「放射能が弱くなった」といいます。そして、さっきのように放射能が半分に減る時間を「半減期」といいます。半減期が短かければ、早く放射能が減ります。反対に、長いとなかなか減りません。

　放射性はいき物はこわいものですか

Ａ：発電所などでできる人工的に作られる放射能を持ったゴミを放射性はいき物といいます。そのなかで自分が出す放射線でどんどん温められるものを高レベル放射性はいき物、ほっておいても温かくならないものを低レベル放射性はいき物といいます。高レベル放射性はいき物は、低レベル放射性はいき物のだいたい1000倍の放射能の強さがあるので、地下深くにしまっておかないといけません。原子力発電をすると高レベル放射性はいき物がでますので、このはいき物の取りあつかいはじゅうぶんに注意しなければなりません。かくゆう合発電では、このような高レベルのはいき物はでてきません。これがかくゆう合発電のいいところです。