かくゆう合の研究についてみんなの質問に答えるよ

かくゆう合のいま、これから

 かくゆう合発電は、いつ実現しますか

A:30年後、つまり2045年ごろ最初のかくゆう合発電所ができるよ。

 かくゆう合研究はどこまで進んでいるの?

A:プラズマを作る実験では、高い温度のプラズマを作ること、原子かく密度と閉じこめ時間のかけ算を大きくすることを目指しています。その最高記録を持っているのが、日本にあるトカマク型のJT-60という装置です。温度は2億度から5億度にもなります。閉じこめ時間も1秒をこえています。かくゆう合発電ができるプラズマに非常に近いのですが、持続時間が1分程度とまだ短いのです。これに比べて、この研究所のヘリカル型のLHD装置は、1時間という長い持続時間を記録しています。ヘリカル型は長い時間プラズマを作ることが得意なんです。まだJT-60に比べて、温度が低く、閉じこめ時間も短いのでLHD装置を使って研究を進めています。

 重水素実験ってなあに?

A:重水素は水素より重いという性質を持っています。今は、軽い水素を使って高い温度のプラズマを作っていますが、重い重水素を使うともっと高い温度になります。いばら城県にあるトカマク装置(JT-60)では、重水素を使って高い温度の記録をつくりました。ヘリカル装置のLHDでも、重水素を使って高い温度のプラズマを作る計画があります。

まめ知識

かくゆう合研究所の放射線対策:重水素実験

かくゆう合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)では、高い温度と密度のプラズマを作るために、軽い水素(記号:H)の代わりに重い重水素(記号:D)でプラズマを作る計画があります。かくゆう合発電で使われるもっと重たい三重水素(記号:T)を使わないので、かくゆう合はおこす研究はしません。ところが重水素(記号:D)だけでプラズマを作っても、ほんのわずかだけかくゆう合がおきることがあります。1億度だと、10万個の原子があると1秒毎に1回のかくゆう合がおきます。そのかくゆう合で水素(記号:H)、三重水素(記号:T)、中性子、ヘリウム3(記号:3He)ができます。三重水素(記号:T)は、β線という放射線をだす放射能を持っています。研究所ではこの三重水素(記号:T)と酸素(記号:O)をくっつけて水にします。そして日本アイソトープ協会というところで安全に処理してもらいます。中性子は放射線ですね。これはコンクリートのかべで止めることができます。研究所の実験室は厚さが2メートルのコンクリートのかべでできているので、中性子は外にはもれることはありません。

 これからのかくゆう合実験

A:世界中の国々が協力して国際熱かくゆう合実験ろ(ITER)をフランスに作っています。この実験ろでは重水素(記号:D)と三重水素(記号:T)を使って実際にかくゆう合反応(D-T反応)を起こします。そしてプラズマから長い時間、エネルギーが発生することを確かめます。ITERの次は、発生するエネルギーを電気のかたちで取り出すことができる実証ろを作ります。これがかくゆう合発電所の第1号となります。30年後に完成するように研究や実験を行っています。ヘリカル装置のLHDでは、三重水素(記号:T)を使わないので、かくゆう合反応は起こしませんが、将来の実証ろで使われるプラズマに近い高い温度と密度のプラズマを作る実験をして、さまざまなデータを集めています。

 将来のかくゆう合発電ろ

A:近い将来にできるかくゆう合発電ろでは、重水素と三重水素を燃料としたかくゆう合反応を使います。このかくゆう合反応で中性子というりゅう子ができて、ものすごいスピードでプラズマから外に飛び出してきます。プラズマの周りにブランケットというかべを置いておくと、そこに中性子がぶつかって熱に変わります。この熱で水をふっとうさせて水蒸気に変え、タービン発電機を回すことで電気をつくることができます。水をふっとうさせるところからは、火力発電所や原子力発電所と同じしくみです。

将来のかくゆう合発電ろ

 実現のために研究されていること:かくゆう合ろ設計

A:これまで作られた多くの装置のプラズマの性能を比べてみると、将来どのような大きさの装置を作ったらかくゆう合発電ろになるかが予想することができます。また他にもたくさんの計算をして、かくゆう合発電ろの大きさ、作る磁場の大きさなどを決めていきます。大きさが決まると今度は、色々な部品を設計します。そして発電所を作るためにかかるお金や作った電気の料金などを計算します。このような研究を「ろ設計研究」といいます。将来のことを考えながら、今しなければならない研究や実験のことを考えています。

 実現のために研究されていること:材料

かくゆう合を起こすプラズマからは、中性子という放射線が発生します。この中性子が金属やプラスチックに当たると、こわれやすくなります。だから中性子が当たってもこわれにくい材料を探しています。それから、中性子が当たった金属が放射線をだす性質に変わることがあります。だから放射線をだす性質に変わりにくい金属材料も探しています。

 プラズマの利用はかくゆう合だけですか

A: いいえ。身近でプラズマは活やくしています。けい光灯は水銀をふくんだアルゴンガスのプラズマなんです。プラズマテレビではキセノンやネオンという物質のガスがプラズマになっています。ほかにもプラズマから発生したイオンでインフルエンザウィルスを退治する空気清じょう機やエアコンがあります。

 -269度まで冷やしたコイルはひずみませんか

A: -269度にすると金属は0.3パーセントだけ長さが短くなります。例えば10メートルのものは3センチメートル短くなることになります。かくゆう合の装置のなかには、冷えて短くなるものと、逆に温められて長くなるものがいっしょにあるので、色々な工夫をしてこわれないようにしてあります。