自然科学研究機構核融合科学研究所は、大学の共同利用機関として「核融合プラズマに関する学理及びその応用の研究」を推進することを目的に設立され、全国の大学等の研究者の積極的ご参加を得て研究活動が進められています。従って、共同利用・共同研究は、核融合研の根幹をなすものであり、日本の核融合・プラズマコミュニティの研究の進展に貢献することが求められています。
核融合研では、「一般共同研究」、「LHD(大型ヘリカル装置)計画共同研究」、「双方向型共同研究」の3つのカテゴリーを設けて、共同研究を実施しております。
一般共同研究は、核融合研設立時から始められた最も歴史のある共同研究です。一般共同研究は、核融合研の実験装置と予算を使うことによって共同利用・共同研究を進め、成果を上げることが基本となっています。これには、共同利用・共同研究を促進するため、核融合研で研究会を開催すること等も含まれています。この基本理念から、一般共同研究では、大学等の共同研究者に核融合研に来て頂き、核融合研で活動して頂く必要があります。
LHD計画共同研究は、大学等で育まれている各種の研究、萌芽的研究、技術等をLHD実験に適用・集約するため、大学等で先ず研究・開発するための共同研究で、平成8年度から実施されています。この共同研究は、LHDにおける実験の画期的進展、実験及び装置運転の効率化等に加えて、大学等の研究の進展に寄与することを目的としています。また、LHD実験に適用・集約可能な各種の研究、技術等を広く掘り起こすには、コミュニティからの意見・推薦が必要であり、LHD計画共同研究の募集には、コミュニティの代表として核融合ネットワークに関わって頂いています。LHD計画共同研究は、その趣旨から、終了後、一般共同研究に移り、LHDで実験等を行って頂くのが原則となっています。しかし、LHD計画共同研究の研究課題として、終了後直接LHDの実験・運転に関わらなくても、LHD計画の推進に貢献できるものであれば採択しています。これは、例えば、LHD計画を推進する上で、LHDの実験や運転以外のところでも、LHD計画を推進するための研究・活動が必要なためです。
さて、大学と核融合研における核融合研究は、視野の広い学術研究をベースにより優れた核融合炉の開発と言う観点から、種々の閉じ込め概念の実証と核融合炉実現の可能性の学術的な探求と人材育成のため、各々異なる方式の核融合実験装置を用いて進められてきました。その結果、大学と核融合研における核融合研究は、多くの成果を上げることができましたが、我が国の核融合研究を今後さらに発展・強化させるため、これまで長年にわたり核融合研究を支えてきた大学と核融合研の複数の実験装置を整理・統合して重点化・効率化するとともに、共同利用・共同研究をさらに推進する方策が、科学技術・学術審議会・学術分科会・基本問題特別委員会に設置されたワーキンググループの審議の結果、平成15年1月の報告書「今後の我が国の核融合研究の在り方について」として決定されました。
上記報告書には、研究機会を増やすための重要な施策として、双方向型共同研究が提案されています。今後の核融合研究の発展のためには、一般共同研究の研究者の動きと逆の動き、即ち、大学共同利用機関の研究者が大学等へ出向いて共同研究を実施することも両者の研究資源の相乗的な活用のために必要になると言う提言です。幸いにも、核融合研では、文部科学省、各大学附置研究所、研究センターの理解と協力を得て、この提言を平成16年度に双方向型共同研究として実現しました。具体的には、双方型共同研究は、筑波大学プラズマ研究センター、京都大学エネルギー理工学研究所エネルギー複合機構研究センター、大阪大学レーザーエネルギー学研究センター、九州大学応用力学研究所炉心理工学研究センターと核融合研が双方向で行う共同研究、これらのセンター間で各々行う共同研究、及び大学等の研究者がこれらのセンターに出向いて行う共同研究からなっています。
双方向型共同研究は、大学と核融合研の自主性・自律性に基づき各組織の明確な責任において進めています。しかし、研究目標は、個々に定めるのではなく、今後我が国の核融合研究に必要とされる重要課題として、双方向型共同研究の中核である核融合研が、核融合コミュニティと協議しながら、集約後、これを各センターと分担、連携して進める方式が採用されています。これにより、核融合研究に必要な重要課題を効率的に解決して行くことが可能となりました。
双方向型共同研究が加わったことにより、核融合研の共同利用・共同研究は、一般共同研究、LHD計画共同研究、双方向型共同研究の3つのカテゴリーへと拡大し、より自由に、また、より活発に推進できる体制となりました。共同利用・共同研究の運用は、委員会によって行われています。即ち、運営会議のもとに共同研究委員会が設けられており、そのもとに一般共同研究に関する委員会、LHD計画共同研究に関する委員会、双方向型共同研究に関する委員会の3つの専門委員会が作られ、それぞれの幹事長(委員長)にはコミュニティを代表して所外の委員にご就任頂き、審議の透明性を確保して頂きながら、各々研究課題の採択等を行っています(採択等の最終的な決定は運営会議で行われます)。一般共同研究、LHD計画共同研究、双方向型共同研究は、同時に公募され、採択、実施後、必ず報告書を提出して頂き、成果を公表しています。また、成果報告会を開催し、LHD計画共同研究は採択された全ての研究課題、双方向型共同研究は中核となるセンターの研究課題並びに採択時に指定した研究課題、一般共同研究は採択時に指定した研究課題について、発表して頂いております。さらに、次年度の研究課題の審査の参考にするため、研究成果の評価が各委員会で行われる等、共同利用・共同研究の運営に必要な全てのプロセスで透明性を確保するための方策が取られています。
共同利用・共同研究が、今後とも益々発展して行きますよう、関係者皆様の積極的なご協力をお願いいたします。

共同利用・共同研究の3つのカテゴリーの役割の説明図(LHDの場合)

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