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平成22年5月10日

ヘリカル研究部 プラズマ加熱物理研究系の論文紹介
 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 核融合発電の実現には、高温のイオンと電子からなるガス、プラズマが必要です。大型ヘリカル装置(LHD)においては、粒子ビームを用いてプラズマを加熱して高い温度にし、その高い温度のプラズマの性質を研究しています。温度の高いプラズマは単純に加熱するだけでは得られません。ポットや魔法瓶のように、熱がなかなか逃げない性質をプラズマ自身が持つことが必要です。LHDではプラズマの中心部を非常に高い温度にすることに成功しています。このようなプラズマを、内部輸送障壁プラズマと呼びます。熱が中心から周辺に伝わることを「熱輸送」と言いますが、プラズマ中のイオンの熱が周辺に伝わるのを防ぐ「障壁」がプラズマ内部に形成され、中心部のイオン温度が非常に高くなりました。最近、この障壁を持ったプラズマを紹介する解説記事がプラズマ・核融合学会誌に掲載れました。

「小特集 LHDにおけるイオン熱輸送研究の進展」
永岡賢一、横山雅之、吉沼幹朗、居田克巳、竹入康彦
プラズマ・核融合学会誌 第86巻第2号、2010年2月発行、69ページ

  この解説記事で紹介している障壁を持ったプラズマの主な特徴は、通常のプラズマよりも3倍も熱の逃げにくい状態が、プラズマ内部の比較的広い範囲で観測されていること、熱が逃げにくい状態では、プラズマ燃料の水素よりも重い元素のイオンが、まるで遠心分離されたようにプラズマの外側に吐き出されるという性質をもつことです。将来に向けて、核融合発電の可能なプラズマ温度・密度までへの拡張性、などについても解説されています。特に重い不純物を吐き出す性質は、LHDだけで見つかっているものです。将来の核融合発電では、燃料が薄まらないよう、核融合反応の灰であるヘリウムや、どうしても微量混ざってしまう鉄や炭素といった不純物を取り除くことが必要です。そのため、この重い不純物を吐き出す性質は、将来の核融合発電に向けて非常に優れた性質です。
  この解説記事は日本語で書かれており、インターネットでも読むことができます。ご興味をお持ちの方は、下記のアドレスを参照してください。

http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2010_02/jspf2010_02-jp.pdf


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