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平成22年7月5日

第8回核融合エネルギー連合講演会

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 

 

 2010年6月10日と11日の2日間、岐阜県高山市の高山市民文化会館において「第8回核融合エネルギー連合講演会」が開催されました。この会議は2年毎にプラズマ・核融合学会と日本原子力学会が共同で主催する国内会議で、今回は核融合研が現地実行委員会として会議の運営を担当しました。
  21世紀に入り、核融合エネルギー開発は実用化に向けて大きなステップを踏み出しました。今日、広く地球環境を守るために低炭素社会の実現が叫ばれ、産業のみならず一般社会に至るまで、その実現に向けた構造改革が求められています。核融合エネルギー連合講演会は、この社会構造の大きな転換期にあたり、二酸化炭素を放出しないエネルギー源として核融合を実現するために、広範な議論を展開する場として、平成7年より開催されてきました。そのため、国内外の核融合研究の進展状況、核融合研究を巡る社会や政治状況、そうした状況を踏まえて今後の研究開発をどのように進めていくか、等について、集中的に議論することを特徴としています。
  2日間の会期中に全国の大学・研究機関から約400名が参加し、海外からの招待者も含む基調講演、シンポジウム、パネル討論など8つのセッションがシリーズに行われました。また、約300件の研究成果の発表がポスターで行われ、活発な議論が交わされました。基調講演では、フランスで間もなく建設が本格化する国際熱核融合実験炉(ITER)プロジェクトとそれを支援する幅広いアプローチ活動の現状、数年以内に本格的な核融合燃焼実験を試みるアメリカのレーザー核融合実験(NIF)に関する最新の報告が行われました。また、国内の核融合研究機関を代表して、核融合研の大型ヘリカル装置研究と大阪大学におけるレーザー核融合研究の最新成果も発表されました。
  連合講演会は、核融合エネルギーに関する研究開発の現状と将来展望に関する情報を、広く社会に発信するという役割も担っています。このため通常の学会講演会と異なり、パネル討論やシンポジウム等が多く企画されるという特徴があります。今回は、産業界、マスコミ、教育関係者をパネリストに迎えて、核融合研究が今後社会とどのように関わってゆくべきかについての活発な議論がパネル討論で行われました。また、実際に核融合エネルギーを実現する世代である30代の研究者によるシンポジウム「若手研究者の考える“20年で核融合炉を実現する方法”」も企画されました。50代以上の研究者から「考えが甘い」との批判を浴びながらも、自らの手で核融合炉を実現させるための課題と見通しが、会場も含めて若手研究者の間で真剣に議論されました。
 今回の会議には、「新たなエネルギー革命を起こす科学技術“核融合”」という副題が付けられているとおり、核融合炉を実現するために不可欠な工学技術に関する発表が多かった点も特徴に挙げられます。連合講演会では毎回、若手研究を対象とした優秀発表賞の選考があります。今回もそれぞれの専門分野から15件の発表が表彰されました。核融合研からは、大学院生を含む4名の若手研究者が表彰されました。今後のさらなる活躍が期待されます。
 次回の連合講演会は大阪大学が担当して、2年後に近畿地方で開催される予定です。





以上

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