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平成22年11月1日

第4回シミュレーション科学シンポジウム

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 第4回シミュレーション科学シンポジウムが9月14日と15日の2日間にわたって、核融合科学研究所で開催されました。このシンポジウムは、核融合科学研究所に設置されているスーパーコンピュータ(プラズマシミュレータ)を用いた共同研究の成果を発表し、また、国内のプラズマシミュレーション研究全体の方向性を議論することを目的として、平成19年より毎年開催されているものです。4回目となる今回は80名もの参加があり、このうち、所外からは、東大、京大、名大、立命館大、日本原子力研究開発機構などから43名の参加がありました。
 スーパーコンピュータは計算が速くて同時計算ができるので、複雑な現象を計算で予測したり、実際に起こっていることを計算で再現させることができ、これを「シミュレーション」といいます。核融合プラズマは、電子とイオンがバラバラになって飛び交う1億度の超高温の世界なため、現象が複雑で、簡単に予測することが難しく、また実験結果を計算で再現させることも容易ではありません。そこで、スーパーコンピュータを用いてさまざまなシミュレーションを行い、プラズマを詳しく調べています。そのため、核融合研究は、シミュレーション科学の研究が最も進んでいる科学分野のひとつなのです
 シンポジウムでは、4件の招待講演、12件の口頭発表、43件のポスター発表、及び、議論セッションが行われました。核融合プラズマの現象はきわめて複雑で、個々のイオンや電子の振る舞いから集団としての流体的な振る舞いまで、また、時間変化のスケールも異なりますが、それらを統一的なシミュレーションに統合する試みが進んでいます。招待講演では、そうした核融合プラズマシミュレーション研究の成果と展望についての紹介がなされました。また、シミュレーション結果をどのように理解しやすく表現するのかという可視化手法に関する講演では、現象の時間変化を調べることが可能な新しい可視化手法が紹介されました。物質を構成する1つ1つの分子の動きを計算して全体としての現象を理解する分子動力学に関する講演では、最新の手法についての紹介があり、プラズマと壁との相互作用の理解にこの手法を適用するために、分子科学研究所と核融合科学研究所で進められている共同研究についての紹介もなされました。口頭発表及びポスター発表では、核融合科学研究所において現在進められている核融合プラズマ物理の数値実験研究プロジェクトについての報告が行われるとともに、宇宙プラズマ物理、材料物理、可視化手法、数値計算手法など幅広い分野に対する研究成果発表が行われ、それぞれの研究発表について熱心な議論が繰り広げられました。
 シンポジウムの最後に行われた議論セッションでは、日米共同研究に関する報告、国際核融合エネルギー研究センター事業の一つとして六ヶ所で建設が進められている核融合計算機シミュレーションセンター、神戸で建設が進められている次世代スーパーコンピュータに関する報告等が行われ、今後のシミュレーション科学研究の方向性に関して活発な議論が展開されました。


以上

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