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平成22年11月8日

日本物理学会 平成22年度秋季大会

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 日本物理学会平成22年度秋季大会の物性物理部門が大阪府立大学の中百舌鳥キャンパスで9月23日から26日に開催されました。日本物理学会では、素粒子・核物理・宇宙物理といった物質や現象の基となる根源を対象としたものから、物性物理といった物質や現象が形となって現れる対象まで、幅広く「物理」という観点から様々な課題を扱っています。核融合研究は理学・工学の幅広い分野の研究から成り立っていますが、プラズマ物理は核融合研究の中核をなす分野です。また、日本物理学会においても、プラズマ関係は主要な研究領域であり、今回の秋季大会でも、物性物理部門の約3600件の発表の約5%を占めていました。核融合科学研究所からも1件のシンポジウム講演と20件の口頭発表がありました。
 核融合プラズマ研究の主要な課題として、磁場に閉じ込められた高温プラズマの性質を調べることが挙げられますが、プラズマを閉じ込める磁場が局所的または大域的に乱れた場合にプラズマの性質に与える影響を調べることが、最近注目されています。一方、太陽のプラズマは自身が発生する磁場と相互作用していますし、オーロラに代表されるように宇宙空間のプラズマは地球の磁場に影響されるなど、プラズマと磁場との相互作用は宇宙物理学の分野でも基本的で重要な研究テーマといえます。このため今大会では、「プラズマ中の磁場の乱れと消滅」という2つの研究領域をまたがるシンポジウムが行われました。
 シンポジウムでは、核融合プラズマ中のさまざまな種類の乱れた磁場についての実験結果と、地球の周りの磁気圏や太陽の表面で観測される磁気再結合と呼ばれる磁場の消滅と再構成の現象について7件の発表が行われました。日頃あまり交流することのない異なった研究領域の研究者が集まったため、お互いの発表に対して新鮮な立場から活発な議論を行うことができ、たいへん印象的なシンポジウムとなりました。このシンポジウムでは、大型ヘリカル装置(LHD)の研究結果から、「ヘリカルプラズマで観測される磁気島構造の発現と消滅現象」という講演が行われました。LHDの磁場を小さな領域で少し乱してやると、磁気島と呼ばれる局所的な構造が現れる場合と、その構造が消失する場合があります。LHDの大域的な全体の磁場の構造が、この局所的な磁気島の成長と消失に対してどのような影響を与えるか、についての詳細な報告が行われ、大きな反響がありました。
 会期中には多くの研究者の間で活発な討論が行われ、参加者にとって大変有意義な学会となりました。


以上

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