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平成22年12月27日

第19回核融合エネルギー技術会議報告

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所


 2010年11月8日〜11月11日に、米国ラスベガス市において、第19回核融合エネルギー技術会議(TOFE-19)が開催されました。この会議は、米国原子力学会の主催により2年に一度開催される核融合技術に関する国際会議で、今回は約200名の参加者がありました。アジアから73名、ヨーロッパから33名、米国から91名で、本研究所からは7名が出席しました。会議では、将来の核融合発電に関連する技術、高温のプラズマに接する炉材料関連技術、燃料である三重水素の取り扱いに関する技術、プラズマを閉じ込めるための強磁場を発生する超伝導マグネット技術、レーザー核融合のための各種技術、等、核融合エネルギーを実現するうえで必要不可欠な多岐にわたる工学技術課題について最新の研究結果が報告され、活発な議論が行われました。
 今回の会議で特に注目されたのは、米国において現在提案されている「核融合核科学施設(Fusion Nuclear Science Facility)」に関する検討報告と、米国を中心に進められているレーザー核融合研究の進展に関する報告です。「核融合核科学施設」計画では、比較的小型のトカマク型の磁場閉じ込めプラズマ装置を用いて、核融合反応の燃料となる重水素と三重水素でプラズマを生成し、それを外部から強力に加熱することで十分な核燃焼を起こします。そして、それによって発生する中性子を用いて材料照射試験を行おうという計画です。これは、現在フランスにおいて建設が進められている国際熱核融合実験炉(ITER)計画と相補的に、核融合炉に必要となる材料の技術開発を促進させるための野心的な計画です。
 一方、レーザー核融合研究については、米国ローレンスリバモア研究所において稼働を始めた核融合点火実験装置(NIF)において、点火実験の開始が間近に迫っていることが報告されました。また、2030年代にレーザー核融合原型炉を建設する計画についての報告もあり、磁場閉じ込め核融合に一歩先んじて核融合エネルギーを実現できる可能性が述べられました。
 会議最終日には、本研究所から、核融合燃焼プラズマ装置の実現に向けた基幹技術の課題とその解決策について、インパクトのある基調講演が行われました。特に、定常燃焼プラズマの実現とそれを支える燃料循環系について、新しい提案を含めてわかりやすく技術的な課題が整理されたため、活発な議論が行われました。
 会議が開かれたラスベガスは、良く知られているようにカジノで有名な街です。会議が開催されたホテルにも大きなカジノがあり、夜遅くまで賑わっていました。しかし、会議出席者は、将来の恒久的なエネルギー源の実現を目指して、朝から夜遅くまで議論に忙しく、カジノをしている余裕はありませんでした。次回の開催地は未定ですが、2012年に開催される予定です。

以上

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