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平成24年8月13日

第9回核融合エネルギー連合講演会

 

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 2012年6月28日と29日の2日間、兵庫県神戸市の神戸国際会議場において「第9回核融合エネルギー連合講演会 −地球を救うエネルギー 核融合の未来−」が開催されました。これは2年毎にプラズマ・核融合学会と日本原子力学会が共催する講演会です。
 いま、地球温暖化対策のために、クリーンエネルギーによる低炭素社会の実現が世界的に叫ばれています。また我が国は、東日本大震災以来、深刻なエネルギー問題に直面しており、これまで以上に安心安全なクリーンエネルギーの開発が期待されています。燃料資源の枯渇の心配が無く、クリーンで、まさに「地球を救うエネルギー」である核融合エネルギーの実現を早めること、そして核融合エネルギーの重要性を国民に広くに理解してもらうことを目的として、今回の連合講演会が開催されました。
 連合講演会には国内外の大学・研究機関から約400名の参加がありました。基調講演、シンポジウム、パネル討論、そして一般市民への公開講演なども含めた12のセッションで議論が交わされました。
 基調講演では、核融合科学研究所の前所長で、現在は国際熱核融合実験炉(ITER:イーター)プロジェクトの機構長である本島修氏が、フランスに建設中のイーター建設の進捗や今後の見通しについて、苦労話を交えながら講演しました。日本を含めた国際協力により進められているイーター計画では、2020年にプラズマ実験を開始する予定です。2027年には、プラズマに入力したエネルギーの10倍のエネルギーを、燃焼プラズマから400秒間連続して発生させることを目標としています。このときの核融合熱出力は50万キロワットとなり、将来の発電所の1/6に達します。発電所では、この連続運転を400秒どころか1ヵ月、1年と長期間にわたって持続させる必要があります。研究所の大型ヘリカル装置(LHD)ではプラズマ燃焼は行いませんが、これまでに高性能なプラズマを54分28秒間保持した実績があり、将来の発電所に必要な長時間運転に向けた研究で世界をリードしています。
 シンポジウム・パネル討論では、イーター計画での燃焼プラズマ研究に加えて、将来の核融合発電所へ向けた核融合エネルギー工学やシミュレーション科学などをテーマに議論がなされました。
 この連合講演会では、毎回、若手研究者を対象とした優秀発表賞の授与が恒例となっています。核融合研究は様々な分野の最先端が集まって進められ、2040年頃の実現を目指していることから、あらゆる分野での若手の活躍が期待されています。今回、研究所からは大学院生を含む3名の若手研究者が表彰されました。この若手研究者たちのさらなる活躍が期待されます。
 次回の連合講演会は、2014年に関東地区で開催される予定です。その頃にはイーターの建設も本格化し、研究所のLHD研究においてもプラズマのさらなる高性能化が実現しているでしょう。是非、今後の核融合研究の進展にご期待ください。


以上