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平成29年8月4日
第19サイクルプラズマ実験が終了
-重水素実験が順調にスタート-
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
核融合科学研究所
 

 大型ヘリカル装置(LHD)の本年度のプラズマ実験が8月3日に終了しました。平成10年の実験開始以来、今回で19回目の実験期間となる第19サイクルプラズマ実験は、2月8日に開始し、延べ100日間にわたり、13,000回を越えるプラズマ生成を行いました。この間、国内外の大学・研究機関からの多くの共同研究者とともに様々な研究を進め、新たな知見が次々と得られる中、トラブルもなく無事実験を終了することができました。実験期間中の6月8日には、プラズマの通算生成回数が、平成10年の実験開始から数えて14万回に達しました。
 今回の第19サイクルから、通常の水素(軽水素)の2倍の質量を持つ、重水素ガスを用いたプラズマ生成を行って、その閉じ込め性能の向上を目指す「重水素実験」が始まりました。初めての実験となる第19サイクルでは、最初の1か月間、従来と同じ軽水素ガスを用いたプラズマ生成を行って実験手順や機器動作の確認を行った後、3月7日に重水素ガスを導入した調整実験を開始し、安全性の確認を経て、本格的な重水素実験に移行しました。この間、加熱パワーの増加とともにプラズマ性能は順調に向上し、重水素実験開始1週間後には1億度を越えるイオン温度を達成し、軽水素プラズマにより記録された9,400万度を更新しました。重水素実験は予定どおり7月7日まで実施され、プラズマの高性能化に伴って発現する複雑な現象や、プラズマ中の高速粒子の挙動を調べる実験などが精力的に行われました。実験期間の終盤には、再び軽水素ガスを用いた実験を約1ヶ月間実施し、重水素実験のデータと比較を行うための、軽水素プラズマの参照データを取得しました。このように、第19サイクル実験では、プラズマの高性能化を目指した重水素実験に係る一連の手順及び装置の運転方法を確立し、実験を軌道に乗せるとともに、軽水素実験では得られない多くの重要な成果を挙げることができました。
 LHDでは、プラズマ実験の終了に伴い、マイナス270度に冷却していた超伝導コイルを室温に戻す運転を、8月4日から行っています。約3週間かけて少しずつ温度を上げ、昇温が終了する8月下旬からは、来年度の実験に向けた保守点検作業が始まる予定です。