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平成31年2月22日
第20サイクルのプラズマ実験が終了しました
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
核融合科学研究所
 

 大型ヘリカル装置(LHD)の第20サイクルのプラズマ実験が、2月21日に終了しました。「サイクル」とは、数か月間連続してプラズマ実験を行う期間のことで、平成10年の実験開始以来、今回で20回目の実験期間となる第20サイクルのプラズマ実験は、10月23日に開始し、延べ63日間にわたり、9,200回を超えるプラズマの生成を行いました。この間、国内外の大学・研究機関からの多くの共同研究者とともに様々な研究を進め、新たな知見が次々と得られる中、昨日、実験最終日を迎えました。また、実験期間中の1月11日には、プラズマの通算生成回数が、平成10年の実験開始から数えて15万回に達しました。
 LHDでは、通常の水素(軽水素)の2倍の質量を持つ重水素ガスを用いたプラズマ生成を行って、プラズマの性能向上を目指す「重水素実験」を行っています。昨年度の第19サイクルのプラズマ実験で、核融合条件の一つであるイオン温度1億2,000 万度を達成しましたが、この時の電子温度は4,000 万度に留まっていました。核融合発電を実現するためには、イオン温度と電子温度の両方を同時に高くしなければなりません。そこで、今回の第20サイクルのプラズマ実験では、プラズマに高速の中性粒子ビームを入射してイオンを加熱しているところに、強力な電磁波を入射して電子も同時に加熱する実験を行いました。中性粒子ビームと電磁波の入射タイミング等の調整を繰り返し行ったところ、イオン温度は約1億度を保ったまま電子温度も7,000万度を超え、核融合発電の実現に一歩近づくことができました。また、重水素ガスを用いることでプラズマの性能が向上する「同位体効果」のメカニズムの解明や、プラズマを加熱する役割を担う高速粒子の閉じ込めに関する研究にも取り組みました。今後、実験データを整理した上で、6月に研究成果をご報告する予定です。
 なお、LHDでは、プラズマ実験の終了に伴い、マイナス270度に冷却していた超伝導コイルを室温に戻す運転を行っていきます。約3週間かけて少しずつ超伝導コイルの温度を上げ、昇温が終了する3月中旬からは、来年度の実験に向けた保守点検作業が始まる予定です。

以上