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平成21年6月10日
文部科学大臣表彰科学技術賞受賞の報告
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大学共同利用機関 自然科学研究機構 |
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核融合科学研究所 |
核融合科学研究所では、世界最大の超伝導ヘリカル装置(LHD)を使ってプラズマ閉じ込めに関する研究を行っており、世界をリードする成果を挙げております。今回は、「核融合炉への新たな道を拓く超高密度プラズマの研究」により文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)の受賞の対象となった研究について報告いたします。この研究は、理想的なプラズマ密度の分布をLHDにおける実験で実証したものです。
核融合炉における核融合反応は、電離した高温ガス(プラズマ)の温度と密度の積(温度×密度)の二乗に比例して反応率が増加していきます。そのため温度が7000万度程度以上になると核融合反応は急激に増加していき、発電炉としてエネルギーを取り出せるようになります。ところが、プラズマの温度を更に上昇させていくと、プラズマの不安定性も増すため、温度を上げていくことは容易ではありません。そこで、密度を上げることが、反応率を高めるためには重要になります。特にプラズマの中心部では温度が高いので、中心部の密度を上げると、効率よく反応率を高めることができます。逆に周辺部では温度が低いので、密度を高くしても反応率はそれほど高くなりませんし、周辺部の密度をあまり高くすると、低い温度と相まって熱のバランスが崩れ、プラズマが崩壊してしまいます。そのため、周辺の密度が高くない方が中心部の密度を高く保つためには好都合となります。この動機によって、LHDにおいてプラズマの密度をいかに上げるかという実験を進めました。具体的な方策としては、水素の氷粒(ペレット)で、中心部に粒子を補給して高密度プラズマを生成し、強力な排気装置(ダイバータ)により真空容器内のガスを排気してプラズマ周辺部の密度を低く保ちました。その結果、ペレット入射によりプラズマ中心部に形成された超高密度プラズマ(1cc当たり1100兆個)を、あたかもダムの中にせき止められたかのように長く閉じ込めることができました。また、ダムの外に当たる密度の低い周辺部のプラズマには、顕著な変化は見られませんでした。このような密度分布制御の成果は、核融合炉実現への新たな道を拓くものと期待されています。
以上
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