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平成21年8月27日

LHD・磁場閉じ込めシミュレーション研究系の論文紹介
 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 LHD・磁場閉じ込めシミュレーション研究系では、大型ヘリカル装置(LHD)をはじめとする実験結果を予測できるシミュレーションモデルの開発を行っています。最近、プラズマの安定性に関して新しい知見が得られましたので紹介いたします。
核融合のための磁場閉じ込めプラズマ実験では、プラズマ圧力と磁場の力が釣り合うことでプラズマが外に逃げずに高温・高圧の状態が保たれています。この力の釣り合いの状態では、プラズマは磁場がつくるドーナツ状の「かご」の中で止まった状態にあると考えられていましたが、近年の研究で、プラズマがこの「かご」の中をぐるぐると回ることでゆらぎが抑えられ、良好な閉じ込めが達成されることがわかってきました。プラズマが止まっているときには、力の釣り合いはプラズマが圧力で外に広がろうとする力と磁場でそれを押しとどめようとする力とで成り立っていましたが、プラズマが回ることでこれに遠心力が加わり、さらに飛行機の原理としても知られるベルヌーイの法則という、流体が流れている方向の速度と圧力との関係も保たれなければなりません。ここに紹介いたします論文

“Analytic high-beta tokamak equilibria with poloidal-sonic flow”, A. Ito and N. Nakajima, Plasma Physics and Controlled Fusion 51 (2009) 035007

は、このような流れをもつプラズマの力の釣り合いに関するものです。上で述べた複雑な力の釣り合いを表す方程式の解として、ドーナツの表面にらせん状に巻きつくように回転するプラズマの流れがプラズマ内部の圧力の分布と閉じ込めている磁場の構造を変形し、流れの速さが音速よりも速い場合と遅い場合とで閉じ込めの状態が劇的に変化する様子を、世界で初めて数式で表すことに成功しました。この数式を得るために方程式は簡単化されていますが、このような釣り合いの状態の基本的な特徴を知ることができ、コンピュータを用いた数値計算で更に複雑な状態を調べるときの目安とすることができます。この成果は2008年8月にイタリアのヴァレンナで開催された核融合プラズマ理論に関する国際ワークショップにおける招待講演でも発表されました。






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