概要
核融合科学研究所は、安全で環境に優しい次世代エネルギーの実現をめざし、大学共同利用機関(※)として国内や海外の大学・研究機関と共に双方向の活発な研究協力を進めています。また教育機関として、次世代の優れた人材を育成し、社会と連携しながら、核融合プラズマに関する基礎的研究・教育を強力に推進しています。
 人類は、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料 をエネルギー源として、現在の高度な科学技術産業社会を 作り上げてきました。しかし化石燃料の消費は大量の二酸化炭素や窒素酸化物を生み出して地球環境に深刻な影響を与えつつあり、その埋蔵量にも限りがあります。 将来に向けた安全で環境にやさしい新しいエネルギー源を 手に入れることは、世界共通の最重要課題なのです。
 太陽や星のエネルギーの源でもある核融合 は、大気汚染物質を発生せず、海水中に燃料となる 物質が全て含まれていることから、実現すれば人類は恒久的なエネルギー源を手に入れることができます。また、低放射化材料を使うことにより、 構造材の再利用 も可能となり、優れた循環型のエネルギーを完成させることができます。
 一億度にも達する超高温・高密度の核融合プラズマとその制御は、物理学、電気工学、超伝導工学、材料工学、情報工学など理論と実験にまたがる現代理工学の幅広い分野の最先端を包括した学術研究対象であり、核融合科学研究所は全国・全世界の研究者コミュニティの知が結節する中核拠点です。
大学共同利用機関とは? 大型ヘリカル装置計画
LHD真空容器 大型ヘリカル装置(LHD) は、我が国独自のアイデアに基づくヘリオトロン磁場を用いた世界最大の超伝導 プラズマ閉じ込め実験装置です。これによって、定常高温高密度プラズマの閉じ込め研究を行い、将来のヘリカル型核融合炉 を見通した様々な視点から学術研究を推進しています。
数値実験研究
核融合プラズマ閉じ込めの物理機構解明、その体系化及び数値試験炉の構築を目指して、大型計算機システムを活用した磁場閉じ込めプラズマ及び複雑性プラズマのシミュレーション研究を推進しています。
核融合工学研究
核融合炉を目指した大学の核融合工学研究の中核として、ブランケット及び超伝導コイルシステムの開発をはじめとした炉設計の高度化研究を進めるとともに、基礎となる学際領域の研究拡充を図ります。
核融合科学研究所は、大学共同利用機関であると同時に、学位授与の機能をもった大学院でもあり、高度な研究設備と人的資源を活用して、将来の核融合科学を担う若手人材育成を推進する重要な役割を担っています。大学院教育では、総合研究大学院大学物理科学研究科の核融合科学専攻としての教育活動に加えて、全国の大学との連携教育にも力を入れています。