第14回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞
本研究所研究部メタ階層ダイナミクスユニットの前山伸也准教授が、「プラズマ乱流のマルチスケール相互作用とその乱流輸送への影響」の研究成果に対して、第14回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞しました。
この賞は、新しい自然科学分野の創成に熱心に取り組み、成果をあげた優秀な若手研究者を対象として、自然科学研究機構が授与しているものです。
将来の核融合炉においては、乱流による熱・粒子の輸送をいかに抑えるかが、プラズマの高効率な閉じ込めと燃焼維持の鍵となります。このため、プラズマ乱流の物理理解とその予測手法の確立は、核融合研究における重要課題の一つです。前山准教授は、ジャイロ運動論に基づく大規模シミュレーションを駆使し、電子スケールからイオンスケールにまたがるマルチスケール乱流の精緻な解析を世界に先駆けて実現しました。これにより、従来は考慮されてこなかった電子スケールの構造がイオンスケールの乱流輸送へ与える影響を明らかにし、乱流理論の新たな展開に貢献しました。また、コードの高性能化から解析手法の開発、物理的な解釈に至るまで一貫して主導的な役割を担い、その成果は核融合・計算科学の両分野において高く評価されています。引き続き、プラズマ閉じ込め性能を理論的に向上させうる乱流制御の原理解明に向けて、学際的かつ先進的な研究を展開しています。
なお、この賞については、7月18日(金)に「気づいたら渦の中 〜核融合、プラズマ、乱流、そして学問の深みへ〜」というタイトルで受賞記念講演が行われました。
講演動画はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/GG8Q4Si9Y3I
