プラズマ装置学ユニット

研究概要

研究目的

プラズマ物性基礎研究、宇宙・天体プラズマ研究、核融合科学を始めとしたプラズマ応用研究、およびプラズマ条件を満たさないまでも荷電粒子の集団現象に関する研究を更に推進するためには、いかにプラズマ物性および荷電粒子の集団物性を理解して計測・制御し、対象とする科学の本質を抽出するかが重要となる。そこで、本ユニットのコンセプトを「多様なエネルギーレベルを有した荷電粒子群の集団的特性を理解し、その特性を利用して荷電粒子群を制御し応用すること」とし、このコンセプトを踏まえた本ユニットの目的を「プラズマ・核融合科学実験で培ってきた最先端の計測・制御技術の更なる高度化および新たな計測・制御技術の創出をするとともに、常に視野を広く持って他分野とも連携・融合を行い、これら技術を用いて自然科学(応用科学を含む)の深化に質的変化もたらす手法および自然科学の新展開を追究する手法の探求すること」と定める。

目的を遂行する手段として用いるプラズマ装置は荷電粒子群を制御する装置である。プラズマ・核融合科学では、最先端の学問的知見(プラズマ物理/応用工学、ビーム物理/工学、光/レーザー科学、原子分子科学、電気電子工学(電力工学、電磁波工学を含む)、材料工学、極低温物理・超伝導工学等)およびこれらに関連する極限技術(真空技術、プラズマ・荷電粒子生成/閉じ込め/輸送/制御技術、粒子/エネルギー循環技術、高電圧技術、レーザー技術、電気/電子/電力/電磁波技術、超伝導技術、各種検出・計測技術、放射線取扱技術等)を開拓しつつ、それらを駆使して荷電粒子群の制御を行ってきた。本ユニットでは、更なるプラズマ装置の高度化を着実に進めると同時に、これらの基盤学問分野および技術の発展に寄与する。プラズマ装置の高度化は、単に既存技術の統合を第一とするのではなく、装置を個別要素に分解してその仕組みを科学的に理解し、この理解に基づいた最善の手法に個別要素および装置を再構築することによって実現する。また、他分野に対する知見を広め、プラズマ・核融合分野で培ってきた最先端の学問的知見と極限技術をテクノロジードライバとして、他分野との連携・協奏によって自然科学の深化に質的変化をもたらすと同時に自然科学の新展開を追究する。


研究計画

本ユニットでは、NIFSを始めとした全国、世界各地にある既存および新規プラズマ装置を、目的を達成するためのアプローチの対象とする。すなわち、本ユニットはNIFS内外の幅広い分野の人材から構成される。現段階で実施が計画されている個別のアプローチ(研究テーマ)は、中性粒子ビーム入射装置 (NBI, Neutral Beam Injector)、反物質プラズマ、ミュオンと核融合科学の融合、電気推進器、高周波(RF)加熱である。NBI およびRF 加熱の研究拠点はNIFS に、他の3つの研究テーマはNIFS外に研究拠点をもつ。

  • 1. NBI
    NBIでは、ITERやDEMO用NBIの開発に資する学術基盤(RF負イオン源の高発散角ビームの起源とビーム発散角最小化制御、負イオン源における粒子循環・輸送の探求と一様・高ビーム電流密度・低ビーム発散角・低ガス圧・定常RF負イオン源のCsレス化、高ビーム電流密度定常Csフリー負イオン源に向けた学理と実証、光中性化の原理検証、アンペア級ビームの高周波空洞加速による高エネルギービーム化の原理検証等)や派生研究(ペアイオンプラズマ物性の実験研究等)を行う。
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  • 2. 反物質プラズマ
    反物質プラズマでは、核融合プラズマの閉じ込め配位として開発されたミラー磁場や磁気浮上ダイポールを反物質の閉じ込め装置として活用し、大強度陽電子ビームの高効率捕獲により、陽電子と電子とのペアプラズマとしての同時閉じ込めを実証するとともに、生成した電子・陽電子プラズマの分散関係や安定性を実験的に調べることで、質量対称性が規定するペアプラズマ特有の集団現象を明らかにする。
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  • 3. ミュオン科学
    ミュオン科学では、主に素過程・相互作用ユニット軸で行われるミュオン原子・分子科学をベースとして、ミュオン触媒核融合(μCF)および宇宙ミュオン応用(宇宙線ミュオンを利用した宇宙天気予報)を行う。
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  • 4. 電気推進器
    電気推進器(宇宙推進器)では、kW~MWを包括した磁気ノズルヘリコンプラズマ推進機の学理基盤構築(推力発生および推進機動作に関連する定常的な現象から、不安定性・乱流現象を含む動的挙動を包括したプラズマダイナミクスの理解等)と高性能化開発(高性能化に資するプラズマ発生・制御技術、乱れによる粒子輸送や自発的な構造形成の制御法を開拓等)を実施するとともに、得られる技術の応用開拓を進め、スペースデブリ除去や宇宙プラズマ室内実験等への展開、地上産業との連携開発、宇宙プラズマ現象のシミュレーション実験を進めることでダイバーシティを推進する。
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  • 4. RF加熱
    RF加熱では、イオンサイクロトロン共鳴周波数帯加熱の長時間運転時におけるインピーダンス不整合に関する研究を行う。

キーワード

核融合科学としてのキーワード

  • プラズマ装置取扱技術プラズマ
  • 荷電粒子の生成・閉じ込め・輸送・制御技術
  • プラズマ加熱装置技術
  • プラズマ計測装置技術
  • 数値計算技術
  • 基礎プラズマ/プラズマ応用装置
  • プラズマ理工学
  • ミュオン触媒核融合

学際的なキーワード

  • 学術ネットワーク型研究
  • 量子ビーム科学
  • 反物質科学
  • ミュオン科学
  • 電気推進器
  • 宇宙天気予報

メンバー

中野 治久 orcid 専門分野 NBI、負イオン源、ペアプラズマ、電気推進器
津守 克嘉 orcid 専門分野 負イオンNBI装置学、ビーム理工学、低温プラズマ物理学、表面物理学、原子分子物理学、負ミュオン生成
池田 勝則 orcid 専門分野 粒子ビーム加熱
斎藤 健二 orcid 専門分野 ICRF加熱、RF計測、電気推進器

お問合せ・連絡先

プラズマ装置学ユニット
Email: pa(at)nifs.ac.jp
※(at)は、@に置き換えてください。