FUSION2030
Fusion Plasma Working Group

学術課題集
核融合プラズマのサイエンスとその拡がり
ー 52の研究課題から眺望する学術的ランドスケープ ー


本稿は、核融合プラズマの学術課題(サイエンスと技術)の魅力・難しさ・未解明な謎・将来の課題・新展開などに特段のフォーカスを置き、52の研究トピックからその学術的なランドスケープを眺望する学術課題集としてまとめたものである。カテゴリーによる課題の類別に加え、“目指すもの(output)”と“波及(outcome)”も明示した。これらによって、「核融合炉の実現に資する研究」のみならず、「核融合プラズマの難問から諸科学・社会へ拡大する研究」を含む、色彩豊かな核融合プラズマのサイエンスとその拡がりを分野内外へアピールすることを試みるものである。

はじめに 記事の構成と楽しみ方 FPWG構成メンバー Full Document Download
躍動する⾼温プラズマの世界
核燃焼プラズマの自己組織化を予測・活用する ⾃発形成する断熱層でより熱いプラズマを閉じ込める 微細渦が⾃発的に励起されるプラズマ乱流のマルチスケール相互作⽤
⾮平衡システムに現れる⾮局所性の起源は︖ 異なる物質はプラズマ中でどう混ざる︖ プラズマが不純物を⾃ら吐き出す条件を探る
⾼エネルギー粒⼦の損失を⽌めろ︕ 突発的な崩壊現象やその予兆を解き明かせ プラズマの変形をいかにして抑えるか
流れを伴う動的な⼒学平衡状態 ―MHD 理論を超えて 磁場が描く層・分岐・カオスの起源は︖ 体積平均β〜1閉じ込めが実現する磁場配位とは︖
磁化プラズマの巨視的構造形成の謎に迫る プラズマに潜む隠れた対称性をデザインする 乱れと磁場の幾何学で紐解く構造形成と機能創発
波でプラズマを⾃在に操れるか︖ 核融合点⽕を⽬指した爆縮・加熱⾼効率化の挑戦 多階層複雑系を要素統合で記述する
統合コードでレーザー核融合の点⽕・燃焼を予測する プラズマ診断を極める 超⾼温粒⼦を計測する!
先進的中性⼦計測機で核融合プラズマを診る 核融合研究から芽吹く新たなインフォマティクス
相互作⽤するプラズマと物質
壁と磁場の形状で熱と粒⼦を制御する 磁場を乱して、壁を守る 気体を使って⾼温プラズマを⼿なずけろ︕
プラズマと物質が触れ合うことにより起こる現象を理解・制御する 核融合プラズマと壁の間で数百MW の熱を散らす
プラズマを⽣み出し加熱する
波だけでトカマク炉⼼プラズマを⽣成できるか︖ 中性粒⼦ビームで加熱・電流駆動する 繰り返しのできる⾼エネルギーレーザーの実現
核融合プラズマを荷電粒⼦で⾼効率に加熱する ⼤強度荷電粒⼦ビーム物理と⾮中性プラズマの共通項
“燃える“プラズマ
“燃料”を制すれば、核融合プラズマを制する 核融合プラズマにおける粒⼦閉じ込めと粒⼦供給のパラドックス 慣性核融合発電炉で⽤いられる核融合燃料ペレット
エネルギー付与過程に対応した標的構造のバリエーション 磁場閉じ込めプラズマとの相互作⽤による固体物質の均質化過程 ⾼速⾶⾏の⾼密度プラズマ塊で粒⼦やエネルギーを運ぶ
核融合炉への道
凹状の電流分布でコンパクトな核融合炉を作れるか︖ 突発する⼤熱負荷への備え ヘリウム粒⼦の⼀⽣を追え︕
狭い隙間から診てプラズマを制御する 核融合プラズマの⾃動運転 低アスペクト⽐化トーラスのpros and cons
トカマク型炉⼼プラズマを⼿軽に⽣成したい︕ 開放系配位で核融合炉は可能か︖ マイルド核融合プラズマコンセプト︖
探求︕ 新・核融合発電⽅式
核融合から新たなテクノロジーへ
ミュオン触媒核融合研究の新展開 核融合炉が拓く応⽤技術 核融合中性⼦を使った未来の癌治療

ご意見・お問い合わせ先:fpwg-fusion2030(at)nifs.ac.jp
Update: 30 April, 2021