核融合科学研究所 > 一般の方へ > 研究活動状況 > 第22サイクルのプラズマ実験を開始しました

令和2年10月15日
第22サイクルのプラズマ実験を開始しました
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
核融合科学研究所
 

 本日、核融合科学研究所は、大型ヘリカル装置(LHD)の第22サイクルのプラズマ実験を開始しました。「サイクル」とは、数か月間連続してプラズマ実験を行う期間のことで、今回は、平成10年の実験開始から数えて、22回目の実験期間になります。
 LHDでは、第19サイクルから、重水素※を用いてプラズマの更なる高性能化を目指す「重水素実験」を行っています。昨年度の第21サイクルにおいては、高いイオン温度8,000万度を保ったまま電子温度を1億5,000万度まで高めることに成功し、軽水素プラズマでは実現できなかった温度領域に到達することができました。このように重水素を用いることでプラズマの性能が向上することを「同位体効果」と呼びますが、そのメカニズムは解明されていません。これまでの理論・シミュレーション研究により、同位体効果は、プラズマ中に生じる小さな渦(乱流)が、重水素を使用することで抑制されることによってもたらされると予測されています。この理論予測を確かなものにするために、今年度の第22サイクルにおいて、実験データを蓄積し同位体効果のメカニズム解明に迫ります。
 また、本実験サイクルの開始に向けて、イオンと電子の温度が共に1億2,000万度を超える核融合炉級プラズマの実現を見据えた加熱装置の高性能化・最適化も進めました。これにより、LHDプラズマの更なる高温度化も目指します。
 第22サイクルの実験期間は、本日10月15日から来年の2月18日までを予定しています。重水素を用いた実験(重水素実験)は、本日から来年1月22日まで実施します。その後、終盤の約1か月間は、軽水素とヘリウムガスを用いた実験を実施し、来年2月18日に終了する予定です。
 研究所は、実験の安全な遂行を最優先事項として、第22サイクルにおいても機器の保守・点検、巡視等を行うとともに、万が一の事故に備えた緊急連絡・対応の訓練も実施しています。また、実験の状況を随時ホームページ上で公開する等、引き続き情報公開にも努めてまいります。今後ともご支援、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

以上

※ 重水素:通常の水素(軽水素)の2倍の質量を持つ水素。化学的性質は軽水素と同じ。