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プレスリリース
国際エネルギー機関実施協定のタイトルに日本創案のヘリオトロンが加わる

 平成22年7月22日

 核融合科学研究所は国際的研究機関として、いろいろな国際協力を進めています。中でも、わが国を代表しての多国間協定にもとづいた協力は、最も大きな責任を担うものとなっています。その一つに経済協力開発機構(OECD)の国際エネルギー機関(IEA)による実施協定というものがあります。核融合科学研究所は3つのIEAの実施協定に日本側締結機関として責任を持っており、中でも「ステラレータ概念の開発」実施協定は、ヘリカル方式による核融合研究を主導する核融合科学研究所にとって最も重要なものとなっています。この協定には欧州連合、米国、ロシア、ウクライナ、オーストラリアと日本が参画しており。現在、日本が議長国を務めています。協定のタイトルにある「ステラレータ」とは米国で発案され、欧州でも盛んに研究がすすめられてきたヘリカル方式の概念であり、欧米では固有名がヘリカル方式全体を示す普通名にも用いられるようになったものです。一方、我が国には独自の創案である「ヘリオトロン」概念があり、その位置づけを明らかにすることが日本側の長年の希望でありました。核融合科学研究所が進めている大型ヘリカル装置(LHD)実験計画は言うまでもなく、このヘリオトロン概念に基づいています。2010年7月30日をもって現在の協定期間が満了となることから、これまでの協定による実績を背景に延長手続きを協定国と協力して進め、この機会に協定名を「ステラレータ及びヘリオトロン概念の開発」に変更する交渉を重ねてきました。これにより、7月7日付にて国際エネルギー機関より正式に2015年7月30日までの延長と、タイトルの変更の承認を受けることができました。数多くの国内・国外研究者との共同研究による大型ヘリカル装置実験を中心とした研究が認められたものであり、また、期待に応える今後の責任も重くなります。核融合科学研究所ではさらに研究を進め、国際貢献を果たしていきます。