HOME > ニュース > プレスリリース > 本研究所の金子修副所長らが平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞

プレスリリース
本研究所の金子修副所長らが

平成26年4月7日

 自然科学研究機構核融合科学研究所(岐阜県土岐市、小森彰夫所長)の3教授が、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者に決定。
 文部科学省は、4月7日、本研究所の金子修副所長、竹入康彦実験統括主幹、 長壁正樹教授に同表彰科学技術賞研究部門を授賞することを発表しました。

科学技術分野の文部科学大臣表彰の目的等

 この表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
 この中で、科学技術賞研究部門は、我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った者を対象としたものです。
同表彰の授賞式は、4月15日に行われる予定です。

本研究所の受賞者(3名)

金子  修(かねこ おさむ) 核融合科学研究所教授・副所長・ヘリカル研究部長
竹入 康彦(たけいり やすひこ) 核融合科学研究所教授・大型ヘリカル装置計画実験統括主幹
長壁 正樹(おさかべ まさき) 核融合科学研究所教授

受賞の内容

 受賞対象は「先進的加熱技法による核融合を見通す超高イオン温度化の研究」です。
エネルギー・環境問題の解決に資する最有力候補である核融合発電の実現には、磁場に閉じ込めたプラズマ中のイオンを1億2千万度を超える超高温度に加熱する必要があります。本研究では、我が国で考案されたヘリカル方式による大型ヘリカル装置(LHD)において、独自に開発した世界最大の大電流ビーム源によりプラズマを加熱する際の高速イオンの損失を抑える条件を詳しく調べ、有効にイオンを加熱する技法を確立しました。その結果、水素プラズマにおいてヘリカル方式として世界最高のイオン温度8,500万度を達成し、核融合発電の実現への見通しを与えたものです。
 この受賞対象となった成果に基づき、昨年度のLHD実験ではさらにイオン温度を高めることに成功し、9,400万度を達成しています。このように、定常運転性能に優れたヘリカル方式において、高いイオン温度を達成したことにより、核融合発電の早期実現が期待されます。

本件に関する問い合わせ先

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所
管理部 総務企画課 対外協力係
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【参考1】 受賞者略歴

金子 修(かねこ おさむ)

金子 修(かねこ おさむ)

自然科学研究機構核融合科学研究所教授・副所長・ヘリカル研究部長。理学博士。愛知県出身。1979年東京大学大学院理学系研究科を修了し、同年名古屋大学プラズマ研究所助手。核融合科学研究所助教授を経て現職。
竹入 康彦(たけいり やすひこ)

竹入 康彦(たけいり やすひこ)

自然科学研究機構核融合科学研究所教授・大型ヘリカル装置計画実験統括主幹。工学博士。神奈川県出身。1985年京都大学大学院工学研究科を満了し、同年京都大学ヘリオトロン核融合研究センター助手。核融合科学研究所助教授を経て現職。

長壁 正樹(おさかべ まさき)

自然科学研究機構核融合科学研究所教授。学術博士。東京都出身。1995年総合研究大学院大学数物科学研究科を修了し、同年核融合科学研究所助手。核融合科学研究所准教授を経て現職。

【参考2】参考となるホームページ

文部科学省 http://www.mext.go.jp/
核融合科学研究所 http://www.nifs.ac.jp/(受賞者の顔写真がダウンロードできます。)

以 上