HOME > ニュース > プレスリリース > 高橋裕己助教が平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞
平成28年4月13日
文部科学省は、自然科学研究機構核融合科学研究所の高橋裕己助教に平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を授賞することを4月12日に発表しました。科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。この中、若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績を挙げた若手研究者を対象としたものです。授賞式は 4月20日に予定されています。
受賞対象は「大電力ミリ波による磁場閉じ込めプラズマの超高温度化の研究」です。核融合発電の実現には1億度のプラズマの安定保持が必須であり、プラズマの加熱・制御特性に優れたジャイロトロン(ミリ波源)の大電力化とその適用が必要不可欠です。本研究では、ジャイロトロン管内の電子ビームの空間電荷を中和させる運転手法を開発し、ジャイロトロンによるミリ波出力として、世界最高の値を達成しました。この大電力ミリ波を大型ヘリカル装置に適用し、プラズマの電磁流体力学的安定性と高いエネルギー閉じ込め性能の両立を実現しました。さらに、プラズマ高温度化の妨げとなるプラズマ中の中性粒子を、大電力ミリ波により劇的に除去する手法を確立しました。これにより、ヘリカル型磁場閉じ込め装置における世界最高の電子温度とイオン温度を達成しました。本研究成果は、定常運転が容易なヘリカル方式による核融合燃焼プラズマの実現に見通しを与えると評価されたものです。
参考URL: 文部科学省 http://www.mext.go.jp/
高橋裕己(たかはし・ひろみ) 自然科学研究機構核融合科学研究所助教。工学博士。東北大学大学院工学研究科を修了し、2007年より現職。 |
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