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プレスリリース
重水素ガスを用いたプラズマ実験を開始しました

平成29年3月8日

 核融合科学研究所は、現在第19サイクル(平成29年2月8日から8月3日まで)の大型ヘリカル装置(LHD)によるプラズマ実験を行っているところですが、このたび、3月7日から、重水素ガスを用いたプラズマ実験(以下「重水素実験」)を開始しました。これまでの実験では、通常の水素(軽水素)ガスを用いてプラズマを生成してきましたが、今サイクルでは7月7日までの間、重水素ガスを用いてプラズマを生成し、その物理的な性質を詳細に調べ上げるとともに、プラズマ性能の向上を図っていくこととなります。

 重水素実験を開始する3月7日には、「大型ヘリカル装置による重水素ファーストプラズマ点火式」を開催し、文部科学省、岐阜県、土岐市、多治見市、瑞浪市の関係者並びに共同研究者等から、146名の方にご出席いただきました。

 点火式では、竹入康彦所長の式辞に続き、小森彰夫自然科学研究機構長から挨拶があり、将来の核融合発電に向けた成果を上げられるよう、実験を安全に実施していくことが改めて確認されました。その後、竹入所長により実験シーケンスを開始するスイッチが押され、重水素ファーストプラズマが約1秒間生成されました。ファーストプラズマを記念して、関係者らによってくす玉開封が行われ、会場からは盛大な拍手が起こりました。引き続き、ご出席の来賓の方々から、重水素実験によるさらなる研究成果に期待する旨のお言葉を多数頂戴いたしました。

 研究所が計画してきました重水素実験の必要性・安全性について、市民の皆様のご理解と、地元自治体等関係の方々のご協力、ご支持のもと、実験実施に向けた種々の準備を完遂し、無事に重水素実験の開始を迎えることができましたことに、改めて厚く御礼申し上げます。

 皆様のご期待にお応えできるよう、重水素実験の安全な遂行に尽力するとともに、情報の積極的な公開にも引き続き努め、多くの研究成果が上げられるよう所員一丸となって取り組む所存です。今後ともご支援ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

以 上

来賓各位との記念撮影
来賓各位との記念撮影
重水素を用いて生成されたプラズマ
重水素ガスを用いて生成されたプラズマ