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プレスリリース

令和2年6月1日

大学共同利用機関法人自然科学研究機構
核融合科学研究所

本研究所の本島厳准教授が第9回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞

 本研究所ヘリカル研究部の本島 厳 准教授が、第9回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞しました。この賞は、新しい自然科学分野の創成に熱心に取り組み、成果をあげた優秀な若手研究者を対象として、自然科学研究機構が授与しているものです。
受賞対象は「核融合定常プラズマ維持を目指した粒子バランスとその制御に関する研究」です。
 核融合発電は、1億度を超える高温プラズマに水素燃料を注入し、注入された水素が高温のイオンとなって核融合反応を起こすことで成立します。イオン化した水素(燃料粒子)は時間の経過とともにプラズマの外に排出され、一部はプラズマを閉じ込める容器の壁で跳ね返って再びプラズマに戻ったり、また一部は真空ポンプによって容器の外に排出されたりします。本島准教授らの研究グループは、強力な極低温真空ポンプを使い、プラズマに戻る水素を減らすことでプラズマの密度をうまくコントロールすることに成功しました。これにより、水素燃料の制御を容易に、かつ安定的に行うための方法が確立されたことが高く評価され、今回の受賞となりました。今後、核融合プラズマ定常維持に向けた研究がさらに進展すると期待されます。
 なお、この賞については、6月14日(日)に授賞式と記念講演会が執り行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、中止となりました。
そのため、受賞者の講演動画を、6月14日午前9時から自然科学研究機構ホームページ上にて、特別公開する予定です。講演動画では、本島准教授自ら大型ヘリカル装置(LHD)の真空容器の中に入って研究を紹介しています。
詳しくは、こちらを覧ください。

本島 厳(もとじま げん)

自然科学研究機構核融合科学研究所准教授。博士(エネルギー科学)。京都大学大学院エネルギー科学研究科博士課程を修了し、核融合科学研究所助教を経て2015年より現職。