市民学術講演会
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恐竜時代の巨大隕石衝突
岐阜県の木曽川川岸に露出する「チャート」とよばれる岩石中に残されていた隕石衝突の証拠「スフェルール」。世界で初めて明らかになった隕石衝突の証拠とその研究を中心に恐竜時代の始まりと終わりにおこった隕石衝突についてやさしく解説します。
2014.11.5セラトピア土岐

講師:尾上 哲治
 熊本大学大学院自然科学研究科地球環境科学講座准教授

講演概要

 恐竜は巨大隕石の衝突により絶滅した―このような説が1980年米国の研究者のアルバレス親子により提唱されてから、約30年が過ぎました。この間研究者は、恐竜が絶滅した6500万年前の「白亜紀/古第三紀境界」とよばれる時代以外からも隕石衝突の痕跡が見つかるはずと考え、これまで多くの研究がなされてきました。しかし実際に生物の絶滅を引き起こしたような隕石衝突は、白亜紀/古第三紀境界以外からはみつかりませんでした。そのため、生物の絶滅を引き起こすほどの巨大な隕石衝突は、白亜紀/古第三紀境界だけだったのではないかと考えられるようになってきました。
 ところが最近になって、恐竜時代の黎明期にあたる約2億1500万年前(三畳紀後期)の地層から隕石衝突の証拠がみつかりました。この隕石衝突の証拠は、なんと岐阜県の木曽川川岸に露出する「チャート」とよばれる岩石中に残されていました。推定された衝突隕石のサイズは最大で直径約8 kmと巨大なもので、この衝突が当時の地球環境に大きな影響を与えたことが予想されました。本講演では、日本から世界で初めて明らかになった隕石衝突の証拠とその研究を中心に、恐竜時代の始まりと終わりにおこった隕石衝突についてやさしく解説します。
ポスター

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