課題番号19
統合コードでレーザー核融合の点⽕・燃焼を予測する
⾼速点⽕⽅式レーザー核融合の物理素過程の解明と点⽕・燃焼の炉⼼設計
カテゴリー: A1, A3, B6, B9, B13, B14
⽬指すもの(output)︓
- ⾼速点⽕レーザー核融合の爆縮から核燃焼過程までの物理現象の理解と,点⽕実証・⾼ゲインの核融合燃焼の炉⼼プラズマ設計
波及(outcome)︓
- レーザー⽣成プラズマの現象の理解とその応⽤への貢献
階層の異なる輻射流体コード・流体―粒⼦ハイブリッドコード・相対論電磁粒⼦コードにより構成される統合コード
⾼速点⽕⽅式レーザー核融合[1]は,ハイパワー・ナノ秒レーザーにより燃料を固体密度の数千倍まで圧縮し,その最⼤圧縮時に1020 W/cm2 級の⾼強度レーザーを照射して相対論的⾼速電⼦ビームを⽣成し,この電⼦ビームにより圧縮燃料の⼀端を点⽕温度まで⾼速に加熱することで核燃焼を点⽕させる⽅式である.これらすべての現象を数値計算により予測することが求められるが,現象の時間・空間スケール・物理階層(運動論的〜流体的)が異なるため、これらを全て網羅できる統合コードの開発が期待されている
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さまざまな階層の物理現象を内包する⾼速点⽕レーザー核融合の爆縮から核燃焼過程までの全過程を対象とした数値シミュレーションの実現を⽬指し,輻射流体コード・運動論的相対論電磁粒⼦コード(PIC コード)・流体̶粒⼦ハイブリッドコードからなる統合コード開発を⾏い,⾼速点⽕レーザー核融合の実験解析並びに将来の点⽕実証・⾼ゲイン核融合燃焼が可能な炉⼼プラズマ設計を⾏う.本統合コード開発により,レーザー核融合プラズマを推進材として⽤いる核融合ロケットの炉⼼プラズマ設計や,ハイパワーレーザーによる⾼圧物性,レーザーアブレーションプラズマによる光源開発,相対論レーザープラズマ相互作⽤による⾼エネルギー密度状態の形成ならびにこれを利⽤した量⼦ビーム⽣成源開発等のレーザープラズマ科学・応⽤に理論・シミュレーションの⾯から幅広く貢献する.
[1] 三間国興ほか、特集「レーザー核融合とレーザープラズマ応⽤の発展 1.2.3 ⾼速点⽕核融合の展開」、プラズマ・核融合学会誌 82 suppl. (2005) 42-47.
[2] 三間圀興ほか、⼩特集「⾼速点⽕核融合の統合シミュレーション-多階層プラズマシミュレーションシステム“FI3”-」、プラズマ・核融合学会誌 82(2006)135-170.