課題番号22

有川安信(⼤阪⼤学)

先進的中性⼦計測器で核融合プラズマを診る

レーザー核融合核反応計測

カテゴリー: A1, A3, B6, B10, B14, B15

⽬指すもの(output)︓

- レーザー核融合核反応⽣成粒⼦を計測し、イオン温度や密度などのプラズマ状態を診断する

波及(outcome)︓

- 中性⼦源応⽤、放射線計測機、ホウ素中性⼦捕獲(BNCT)治療

課題22イメージ

レーザー核融合核反応計測⽤中性⼦計測器

核融合反応で⽣成する中性⼦を計測することで、核融合点⽕条件に必要なイオン温度や密度・半径を知ることができる。中性⼦計測には複雑な装置開発が求められる。これまでは時間空間平均の中性⼦計測であったが、これだけでは不⼗分である。レーザー核融合プラズマを診ることができる、超⾼速時間分解能、空間分解中性⼦計測が求められている。

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時間・空間平均された核融合プラズマのイオン温度は、中性⼦の運動エネルギースペクトル広がりから計測することができる。この計測において中性⼦計測器に求められる時間分解能は1 ナノ秒程度であり、⾼速応答のシンチレーターおよび⾼速光検出器で計測が可能であった。さらに、核融合プラズマの時間発展を計測しようとすると、1 ピコ秒の時間分解能が必要となり、従来装置とは全く異なる装置開発が必要となる。また核融合反応の空間分布を計測する場合には中性⼦のイメージング計測器が必要となる。これには⾼精度な中性⼦ピンホールと、空間分解型中性⼦イメージャーが必要となる。

これら⾼分解能中性⼦計測器や、レーザー駆動中性⼦源は核融合研究のみならず多数の応⽤がある。またレーザー核融合による中性⼦源は、点光源・短パルス、単⾊エネルギーで輝度が⾼いことから、他の⼿法では得ることができない⾮常に⾼品質の中性⼦源である。この中性⼦を利⽤した核物理研究、中性⼦ラジオグラフ、中性⼦医療の応⽤研究も⾏われている。

[1] J. Frenje, et. al., “Nuclear diagnostics for Inertial Confinement Fusion (ICF) plasmas”, Plasma Phys. Control. Fusion 62, 023001, (2020)

[2]Y.Arikawa, et al., “The conceptual design of 1-ps time resolution neutron detector for fusion reaction history measurement at OMEGA and the National Ignition Facility”, Review of scientific instruments, Rev. Sci. Instrum. 91, 063304 (2020);