第15回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞

 本研究所研究部 位相空間乱流ユニットの釼持 尚輝准教授が、「磁場閉じ込めプラズマにおける非局所輸送メカニズムの解明と予測制御基盤の構築」の研究成果により、第15回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞しました。

 本賞は、新しい自然科学分野の創成に熱心に取り組み、優れた成果をあげた若手研究者を対象として、自然科学研究機構が授与するものです。

 核融合炉の実現に向けては、高温プラズマにおける熱輸送過程を理解し、閉じ込め性能の向上と安定な制御につなげることが重要です。釼持准教授は、大型ヘリカル装置(LHD)において、プラズマ中心部を短時間加熱した際の電子熱輸送と乱流応答に着目し、通常の拡散的な熱伝播では説明しにくい非局所輸送現象の解明に取り組んできました。高時間分解能を有する温度・乱流計測を駆使し、加熱に伴う温度勾配、乱流強度、輸送応答の時空間発展を詳細に解析することで、プラズマ中の離れた領域がどのように相関して応答するかを実験的に明らかにしてきました。

 これらの成果は、乱流と熱輸送の関係を実験的に読み解く上で重要な知見を与えるとともに、将来の核融合炉における輸送予測やプラズマ制御の高度化にもつながるものです。また、計測、データ解析、物理モデルを統合し、実験で得られた知見を予測・制御研究へ展開している点も高く評価されました。

 受賞記念講演は、7月20日(月・祝)に「プラズマの予想外を追いかける ~核融合発電を目指す、熱の伝わり方と制御の科学~」と題して行われました。講演では、LHD実験で得られた一見すると外れ値のようにも見える信号を手がかりに、非局所輸送と乱流応答を読み解いてきた研究の経緯を紹介しました。また、核融合研究を志したきっかけや、予想外のデータに向き合うことの面白さについても語り、基礎的な物理理解を将来の核融合炉の予測・制御へつなげる展望を示しました。

講演動画はこちらからご覧いただけます。
https://www.nins.jp/event/cat75/y_awards/15.html

川合機構長(左)と釼持准教授(右)