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よくあるご質問(FAQ)
  • 「トリチウムは許容濃度の10倍で卵子の元になる卵母細胞の半数が死滅するデータがある」というのは本当ですか?
Aここでいう「許容濃度」とは、1960年代のICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に基づいた値を参照しています。これは、現在の日本の法令で定める濃度限度の約30倍に相当します。そのため、現在の基準では300倍の濃度でのデータとなるため、この表現は誤りです。
 1960年代当時のICRP勧告の基準では、1ミリリットルあたり1,850ベクレル(1850Bq/ml)をトリチウムの許容濃度としていましたが、現在の日本の法令で定める排水中の濃度限度は、1ミリリットルあたり60ベクレル(60Bq/ml)と、より厳しい値となっています。こうした基準値は、安全性を確保するために、様々なデータを検証して定められたものです。なお、「許容濃度」という表現は、1977年のICRP勧告で廃止されました。現在の日本の法令では、「濃度限度」という表現になっています。
 なお、ここで示されているデータは、マウスやリスザルの腹腔内にトリチウム水を注入した実験により得られたもののようなので、この濃度のトリチウムを含んだ水を飲んだり呼吸によって取り込む場合よりも、数倍影響が大きいものと考えられます。
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