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平成22年8月2日

ヘリカル系国際調整作業会合

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 

 

 

 

 6月30日(水)から7月2日(金)までの3日間、ドイツのグライフスバルトにあるマックスプランクプラズマ物理研究所において、『第7回ヘリカル系国際調整作業会合』が開かれました。この会合の目的は、大型ヘリカル装置(LHD)を始めとする世界各国のヘリカル系磁場閉じ込め装置による核融合プラズマ研究を対象として、さまざまな実験装置に共通する物理を見出すことにあります。そして、実験装置に依存しない汎用性の高い物理モデルを作り上げて、異なる装置から得られた実験結果を同じ視点から説明することを目指しています。そのために、ヘリカル系装置に関係する各国の研究者が集まって、実験結果、解析結果、理論検討結果等を持ち寄って、討論やデータベース作りの作業を行います。
 本会合は、核融合科学研究所(NIFS)の発案で、第1回会合が平成18年に日本で開催されたのを皮切りに、年に1〜2回の頻度で開催されています。第7回目となる今回は、日本を始めドイツ、アメリカ、スペインなどの各国から約30名の研究者が集まりました。NIFSからは7名、名古屋大学および京都大学からも各1名が参加しました。
 日本からは、高温プラズマの動きがプラズマを閉じ込める磁場の構造にどのような影響を及ぼすかについての実験的な解析結果を始めとして、プラズマ粒子の振る舞いを予測する計算プログラムの開発とそのLHD実験への適用、プラズマ周辺部の電子温度と密度の関係など、LHDに関する幅広い課題について報告がなされました。
 会合では、国際協力による比較実験などを計画・調整し、それにより複数の装置で得られた実験データを精密に比較・調査した上でデータベース化する作業も行います。そして、各国の研究者がそれらを用いて解析を行う環境を整備してきています。世界最先端の研究環境を有するLHDはその中心となって、国際共同実験の調整を行っており、その実例に関する報告も行われました。
 本会合における成果は、これまでにも主要な国際会議や学術誌などで共同論文として発表されてきました。今回も、今年10月に開催される国際原子力機関が主催する「核融合エネルギー会議」で、共同論文として発表される予定です。
 次回は、平成23年春に日本で開催される予定です。








以上

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