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平成23年1月31日

第20回国際土岐コンファレンス

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所


 第20回国際土岐コンファレンス(ITC20)が、昨年の12月7日(火)から10日(金)の4日間の日程で、岐阜県土岐市のセラトピア土岐において開催されました。国際土岐コンファレンスは、核融合科学研究所が土岐市において毎年主催しているプラズマ・核融合研究に関する国際会議です。今回は、第20回目という節目を迎え、「プラズマ・核融合科学の今後の20年」をテーマとし、これまでの研究の進展に基づいて、今後の20年の展望・方向性を考える会議となりました。
 会議には、国内から226名、海外からは16か国55名の参加がありました。基調講演などからなる口頭発表46件、ポスター発表197件の研究発表および活発な討論が行われました。
 冒頭の基調講演では、本島修・国際核融合エネルギー機構(ITER機構)長から、国際熱核融合実験炉ITERの建設の現況ならびに今後の建設計画・実験計画等について、また、小森彰夫・核融合科学研究所長からは、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)における最新の研究成果と日本の大学における核融合研究の展望について、それぞれ報告が行われました。
 会議のテーマに沿って、今後の20年を展望したシミュレーション科学および実験研究に関する4件の総合講演も行われました。日本におけるシミュレーション科学の歴史と展望、米国における核融合シミュレーションプログラムとシミュレーション科学の新たな挑戦、磁場閉じ込め核融合プラズマ研究の進展と展望、およびマイクロ波を用いた画像可視化手法によるプラズマ計測に関する最新の成果が報告されました。また、核融合炉工学研究、宇宙プラズマ、プラズマの産業応用など、多岐にわたる研究発表も行われ、研究領域を越えた様々な角度からの活発な議論により、会議は大いに盛り上がりました。
 会議初日には、大野信彦土岐市長の主催で、外国人参加者を対象としたレセプションが開かれました。素焼き皿の絵付けやろくろ体験も行われ、絵付けした皿は会議期間中に焼成されて、参加者へのおみやげとなりました。また、琴の演奏では、参加者の飛び入りでジングルベルの演奏が行われるなど、会場が一体となった楽しいひと時となりました。海外からの参加者には、土岐市、ひいては日本の産業、文化に触れていただくよい機会となりました。
 2日目には、恒例の市民学術講演会が開催されました。今回は、大きな話題となっている「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構の國中均教授による「はやぶさ 小惑星探査機の深宇宙オデッセイ」と題した講演が行われ、約460名という大変多くの市民の方が参加されました。エンジントラブルとその克服、豪州におけるカプセル回収現場でのエピソードなど、はやぶさ計画の陣頭指揮をとった國中教授ならではの話に会場は魅了されました。アンケートでは、日本の科学技術を誇りに思う、さらに応援したい、頑張って予算を獲得して下さい、などの声が寄せられました。
 このように、国際土岐コンファレンスは、地域のご協力を得ながら20年以上にわたって土岐市で開催されてきており、国際的に見てもとてもユニークな国際会議です。次回は2011年の11月下旬〜12月上旬にかけて開催される予定です。


以上

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