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平成24年1月16日

プラズマコンファレンス2011

 

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 2011年11月22日から25日までの4日間にわたって、プラズマコンファレンス2011が金沢駅前の石川県立音楽堂で開催されました。近年、プラズマに関する研究は様々な分野で展開され、核融合を目指した高温プラズマをはじめとして、太陽や宇宙プラズマ、基礎的なプラズマ物性、さらには半導体プロセスや殺菌といった産業応用、医療応用等で利用される低温プラズマなど、その研究対象が拡大しています。そこで、国内のプラズマ研究に関連した学会がジョイントして、日本におけるプラズマ研究の新たな発展を図ることを目的に、プラズマ・核融合学会、応用物理学会、日本物理学会が合同して、プラズマコンファレンス2011を開催しました。また会議では、特に若手研究者による国際的な視野を持った研究を促進するため、国際セッションを設けるなどの国際化が積極的に図られました。
 会議では、749件の一般講演(口頭発表223件、ポスター発表526件)、20件の招待講演、11件の基調講演がなされ、国内で開催されたプラズマ関係の会議としては過去最大の1,000人規模の会議となりました。また、国内のみならず海外からも多くの研究者が参加して、国際セッションでは34件の外国人研究者による講演が行われ、日本人による基調講演も英語で行われるなど、国際会議としての側面も示されました。開催期間中には、様々な企業による最新の研究科学機器の出展なども行われました。
 会議の冒頭には、核融合科学研究所・前所長の本島修ITER機構長による「国際熱核融合実験炉(ITER)計画が拓くプラズマ物理と工学」と題した基調講演がなされ、ITER建設の現状と計画に関する詳しい報告がなされました。研究所の伊藤公孝教授による「極限プラズマ物理の最前線」と題した基調講演が引き続き行われ、極限プラズマの研究によって拓かれる新たなブレークスルーとイノベーションについて論じられました。第3日目には、研究所の山田弘司研究総主幹による基調講演「大型ヘリカル装置(LHD)実験の研究展開」が行われ、今年度の実験期間中に得られたLHDの最新の実験成果について詳しい報告がなされました。また、研究所からは5件の招待講演が行われるなど、核融合プラズマ研究における研究所のアクティビティーの高さが示されました。
 講演などの研究発表に加えて、様々な研究分野においてシンポジウム(18件)、インフォーマルミーティング(4件)が開催され、各分野の研究課題、将来計画等が活発に議論されました。また、一般市民向けの公開講演会も行われ、元文部大臣の有馬朗人氏による「日本のエネルギーの未来と核融合」、近藤道雄・産業技術総合研究所太陽光発電工学研究センター長による、「太陽光発電が拓く安全安心エネルギーの世界」と題した分かりやすい講演がなされました。
 会議の最終日には各賞の表彰式があり、研究所からは、長山好夫教授らが技術進歩賞を、秋山毅志助教が学術奨励賞をプラズマ・核融合学会から受賞しました。また、松山顕之研究員が今回の会議における若手優秀発表賞を受賞しました。
 今回の会議の成功を受け、3学会合同によるプラズマコンファレンスを再度開催しては、という声が参加者から出され、今後、関係者により検討されることとなりました。


以上