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平成24年10月17日

第16サイクルのプラズマ実験を開始しました

 

 

  大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 

核融合科学研究所

 大型ヘリカル装置(LHD)の第16サイクルプラズマ実験を本日、10月17日に開始しました。平成10年の実験開始以来15年目となる今年のLHDプラズマ実験は、12月6日までの延べ8週間を予定しています。この間に約5,000回のプラズマ放電実験を行い、全国の大学・研究機関ならびに海外の共同研究者と共に、核融合エネルギーの実現に向けた高温プラズマの学術研究を推進していきます。
 LHDでは、昨年12月より進めてきました装置の改造・メンテナンス作業とそれに引き続く装置の信頼性を高めるための調整作業が9月上旬に終了しました。9月19日よりLHDの超伝導システムの冷却を行い、10月14日には−270度への冷却が完了しました。そして、10月15−16日には超伝導コイルの通電試験も無事終了し、10月17日にプラズマ実験を開始したところです。
 LHDは我が国独自のアイデアに基づいて、ねじれたドーナツ形状の磁場を超伝導の電磁石で作り、これにより高温のプラズマを閉じ込める研究を行っています。実験を含めた装置の運転期間は約半年間に及び、この期間をサイクルと呼んでいます。実験開始年は2サイクルの実験を実施しましたが、以降は1年に1サイクルの実験としています。今回で16回目となる第16サイクルプラズマ実験では、前年度に引き続き、プラズマ性能のさらなる向上と高性能プラズマの詳細な理解を目指します。メンテナンス期間中に真空容器内のダイバータと呼ばれる装置の改造を行い、そこに真空ポンプを取り付けて、効率的な粒子制御ができるようにしました。それによる高効率排気と粒子制御特性を評価するとともに、その機能を生かして、イオン温度に代表されるプラズマパラメータのさらなる向上および高性能プラズマの長時間維持をめざします。さらに、将来の核融合エネルギーの実現をめざして、高温プラズマに関する種々の学術的研究テーマに取り組みます。
 実験は安全を最優先に進め、実験情報として、日々の実験予定表と実験日誌および週間実験レポートを本研究所ホームページ上で公開します。また、プラズマ実験期間中は制御室及びLHD本体の様子をライブカメラ映像として、本研究所ホームページからご覧いただくことができます。実験の内容については、適宜、研究レポートとしてホームページ上の本欄で報告させて頂くと共に、これまで通り、配信登録をいただいている方へはメールでもお知らせします。
 第16サイクル実験を安全に遂行し、大きな成果が得られますよう、ご協力、ご支援の程、どうぞよろしくお願いいたします。


以上