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平成25年1月7日 プラズマが自ら回転する! ―自発回転するプラズマの性質を調べる―
大型ヘリカル装置(LHD)では、ドーナツ状の磁力線のカゴの中に高温・高密度のプラズマを閉じ込める研究を行っています。ドーナツ状に閉じ込められたプラズマを上から見ると、プラズマの状態によって、時計回り、あるいは反時計回りにプラズマが回転することがあります。今回は、このプラズマが「自ら勝手に回転する!」性質についての研究を紹介します。 プラズマは、原子核(イオン)と電子がバラバラになって真空中を飛び交っているので、粒子の振る舞いとしての性質が調べられていますが、一方で、水や空気と同じように、粒子が集まって流れる「流体」としてプラズマを扱うことができます。そこで、プラズマを流体として観測すると、ドーナツの太さ周りの方向に沿って回転する流れや、ドーナツの円周方向に沿って回転する流れが観測され、そうしたプラズマの回転がプラズマの性質に影響を与えることがわかってきました。例えば、高い圧力のプラズマに対して、ドーナツの円周方向にプラズマが回転すると、プラズマを閉じ込める磁場の働きを助けることがわかっています。また、プラズマを閉じ込める磁力線のカゴの一部が歪むと「磁気島」と呼ばれる状態が現れ、プラズマの閉じ込め性能を劣化させることがありますが、この磁気島もドーナツの太さ周りの方向にプラズマが回転すると消えてしまうことが最近の研究でわかってきました。このように、プラズマ自身の回転はプラズマの性質に大きな影響を及ぼすため、プラズマの回転とプラズマの性質の関係は、現在、とても重要な研究課題となっています。 以上 |