HOME > 研究活動 >> 研究活動状況 >> プラズマを閉じ込める磁力線の「カゴ」の形を調べる |
平成25年1月21日 プラズマを閉じ込める磁力線の「カゴ」の形を調べる
将来の核融合エネルギーを実現するためには、1億度を超える高温度のプラズマを生成する必要があります。そのために、プラズマが容器の壁に直接触れて冷やされないよう、磁石の力を利用してドーナツ状の「カゴ」をつくり、そこにプラズマを宙に浮かした状態で閉じ込めます。ところが、このカゴはプラズマの温度や圧力が上がると変形し、場合によってはプラズマの閉じ込め性能に影響を及ぼします。今回は、大型ヘリカル装置(LHD)で行われている磁力線のカゴの形とプラズマ状態によるその変化を調べる研究を紹介します。 磁石からは磁力線と呼ばれる、目に見えない磁気の力を発する線が出ています。磁力線は、小学校の理科の実験で行ったように、砂鉄の上に棒磁石をおいてやるとN極とS極に出入りする線として見ることができます。LHDでは、らせん状の形をした巨大な電磁石(ヘリカルコイル)によって磁力線を作り出します。そして、この磁力線によってらせん状の「カゴ」を作り、そこにプラズマを閉じ込め、常に外側へ広がろうとする高温度のプラズマをこの「カゴ」により押しとどめています。一方、プラズマは電子とイオンという電気を帯びた粒子でできているため、プラズマ自身の動きにより磁場が発生します。プラズマの温度や圧力が高くなるとこの磁場も大きくなって、自身を閉じ込めている磁力線のカゴを変形させるようになり、場合によっては「カゴ」を壊してしまいます。そのため、プラズマを閉じ込める磁力線のカゴの形が、プラズマの状態によってどのように変化するのか、どのような場合に壊れてしまうのかを研究することは、将来の核融合発電の実現へ向けてとても重要です。 以上 |