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平成25年5月13日 負イオンビームを加速する −粒子ビーム加熱装置の高性能化を目指して−
大型ヘリカル装置(LHD)のプラズマを加熱する方法の一つに、高エネルギーの中性粒子ビームを入射する方法があります。この加熱方法により昨年度、8,500万度のイオン温度を達成しました。LHDでは、エネルギーが高く性能の優れた中性粒子ビームを生成するために、世界に先駆けて負イオンを使った中性粒子ビーム入射加熱装置を開発し実用化しています。今回は、ビーム入射装置の性能をさらに高めるために、負イオンを発生する負イオン源の高性能化に向けた研究を紹介します。 高いエネルギーの水素原子のビームをプラズマに入射すると、ビームの持つエネルギーをプラズマ中のイオンや電子に渡すことにより、プラズマを加熱することができます。ところが水素原子は電気的に中性な粒子のため、高いエネルギーを与えることができません。そこで、電子が取れてプラス(正)の電気を持った正イオン、あるいは電子がくっ付いてマイナス(負)の電気を持った負イオンを電気の力を用いて高い電圧で加速して、高エネルギーのイオンビームにします。そして、水素ガス中にこのイオンビームを通過させることにより、中性粒子ビームに変換します。ここで負イオンを使うと、正イオンに比べて高いエネルギーまで効率よく中性粒子ビームに変換できます。LHDでは、世界で唯一、負イオンを用いた中性粒子ビーム入射加熱装置が稼働しており、プラズマの高性能化に大きく貢献しています。 以上 |