LHD
 高密度プラズマ物理研究系では、核融合反応を起こすために必要な条件の一つである「高密度」に主眼を置いたプラズマの生成・保持と、性能向上を目指した研究を行っています。具体的には、高い密度のプラズマを閉じ込めるために必要な磁場配位の研究、生成・維持に必要な燃料供給法の研究、粒子の排気を含むプラズマの制御に関する研究等、担当する領域は物理研究から機器の開発研究まで多岐にわたります。
高い密度のプラズマを生成・保持するためには、燃料となる粒子(水素)をプラズマに供給する一方で、閉じ込め領域から出てくる粒子を排気するという一連のサイクルを効率的に行う必要があります。本研究系では高効率の粒子排気を目指した、ヘリカルダイバータの「閉構造化」を段階的に進めています(右図)。ヘリカルダイバータとは、LHDが“自然に”備えている「プラズマの周囲に漂う余剰粒子を、主プラズマに戻らないように周辺部に導く機能」です。その際、粒子を遮蔽板で囲まれた狭い空間(閉構造)に集めることで 排気効率の向上を目指します。また、閉構造内の圧力上昇や、僅かな磁場の調整が周辺磁場の特性を大きく変形させ得る効果を利用して、ダイバータ部への熱負荷を軽減させる研究も行っています。
磁場によってプラズマが導かれる真空容器の溝部に設置されたバッフル。