どのような物質も、温度が低いと固体で、温度を上げていくと液体、さらに気体へと変化します。たとえば水の場合は、氷 ⇒ 水 ⇒ 水蒸気 となります。これを 「物質の三態」 と呼びます。
ところが、さらに温度を上げていき、1万度を超えるあたりから、電子が原子からはぎ取られる 「電離」 という現象が起こります。原子核(イオン)と電子が自由に動き回るこの特別な状態を 「プラズマ」 と呼び、「物質の第4の状態」 ともいわれます。
身近なプラズマには、蛍光灯、ネオンサイン、オーロラ、稲妻などがあります。これらはいずれも、電流が流れる、発光する という特徴をもっています。
核融合発電では、水素などの燃料を 1億度を超える超高温に加熱します。この温度では、物質はもちろん プラズマ状態 になります。核融合反応を安定して維持するためには、プラズマとしてのさまざまな物理現象を正しく理解し、制御することが不可欠です。