水素と三重水素が核融合反応を起こすと、高速の中性子とヘリウム原子核が発生します。それぞれのエネルギーの割合は、約80%が中性子、20%がヘリウムです。ヘリウムはプラズマ中に留まり、プラズマを加熱しますが、中性子は磁場の影響を受けないため、プラズマから飛び出し、プラズマを完全に覆う「ブランケット(毛布の意味)」と呼ばれる壁にぶつかります。中性子は減速し、その運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、ブランケットの温度を上げます。ブランケットの温度は設計によりますが、350℃から900℃にまで上昇します。
ブランケット内には冷却材が流れ、外部の熱交換器へ熱エネルギーが輸送されます。冷却材としては、加圧水、ヘリウムガス、リチウム鉛合金(液体)、リチウム化合物(液体)などが候補として挙げられています。その後、熱交換器を介して蒸気タービンを回す発電部の仕組みは、火力発電や原子力発電と同様です。