核融合炉のプラズマで核融合反応が進むと、生成されたヘリウムの濃度が増加し、核融合出力は次第に低下していきます。したがって、ヘリウムは「灰」として外部に排気する必要があります。
そのために、磁力線のかごをあえて完全には閉じず、一部(図では下側)を開けてプラズマの一部を引き込みます。この部分をダイバータ室と呼びます。
ダイバータ室には高温に耐えるターゲット板(たとえばタングステン製)が設置されており、そこにプラズマを当てて冷却し、気体に戻します。その後、真空ポンプによって外部に排気します。 排気ガスは重水素・三重水素・ヘリウムの混合気体ですが、このうちヘリウムだけを分離・除去し、重水素と三重水素は燃料として再びプラズマに戻します。