核融合科学研究所

アーカイブ室/核融合科学研究所

森一久氏資料

森一久氏資料の受け入れ

原子力の平和利用に生涯を捧げた元原子力産業会議副会長森一久氏(1926-2010)の資料が2021年11月神奈川県の森氏宅から当アーカイブ室に移送、保管された。

森一久氏資料について

資料群の構成は森一久氏が遺した原子力に関する文書、蔵書、雑誌、冊子、私信、日記、手書き原稿、メモなどで、文書資料約1700点、蔵書、雑誌、冊子等400冊あまりからなる。森一久氏の経歴や資料群の整理・保存の経緯は湯川秀樹門下の大学名誉教授を中心とした6名からなる編集委員会によって「森一久資料室」としてまとめられている。
 特筆すべきは、編集委員会の研究者には単に森氏の生き方や私利私欲のない人柄に感銘しただけではなく資料を残して今後の原子力の方向を検討する必要があるとの責任感が感じられることである。

受け入れの経緯

森一久氏は、日本の核融合研究の萌芽期にリーダーとして活躍した元プラズマ・核融合学会長森茂氏(1923-2018)の実弟である。原爆で家族を亡くしたにもかかわらず兄弟ともに核融合、核分裂の原子力分野でエネルギー開発に尽力した。
 当室では、この森氏兄弟の調査過程で資料目録「原子力とともに半世紀」に出会い、核融合アーカイブズには不足している核融合研究萌芽期の時代背景が分かる資料として貴重であることから、資料の移転先を探していた編集委員会に保管を申し出た。
 編集委員会および森禮子氏(故森一久氏夫人)から保管場所として適当との判断を得て当室に資料が移管された。
また、これを受け森一久資料総目録を含む「森一久資料室」も、京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館史料室から移管され、今後は当室で保管・管理することとなった。