核融合研究は、我が国が世界的に主導的な立場に立って進めてきた大型・長期の研究プロジェクトです。
将来計画の立案などに際して、的確な展望を得るためには、過去の歴史を考察することが大切です。また、核融合研究のような大型プロジェクトの進展の過程は、科学史・科学社会学の研究対象としても極めて興味深いものです。歴史の考察には、当然のことながら史料による裏付けが必要です。そのためには、基礎資料がアーカイブズとして組織的に収集・整理・保存され、公開・閲覧に供されていることが重要です。
核融合科学研究所では、このようなアーカイブズ活動を核融合研究そのものの一環としてとらえ、共同研究を組織しました。
2023(令和5)年度には、以下の共同研究が実施されています。
研究コード(代表者) | 整理番号 | 研究課題 |
---|---|---|
NIFS22KIIV001(雨宮高久) | 55 | 名古屋大学プラズマ研究所の創設に関わる歴史研究 |
NIFS22KIIV003 (井口春和) | 56 | 伏見康治資料に保存されている日本における初期の原子力開発関連資料の分析 |
NIFS23KIIP021 (村上泉) | 96 | 日本の核融合研究に関する歴史資料の収集、整理、および登録 |
NIFS23KIIF023 (小南理恵) | 87 | 新聞記事のテキスト分析による核融合発電の取り扱われ方の歴史的変遷 |
NIFS23KIIF025 (山口直洋) | 89 | プラズマ分光共同研究会の歴史に見る分光光源の変遷に関する調査 |
NIFS23KIIF027 (小堀聡) | 91 | 日本における原子力開発利用政策の歴史研究 |
NIFS23KIIF030 (久保伸) | 94 | 大河千弘資料の整理・登録及び分析 |
NIFS22KIGV001 (高岩義信) | 352 | 核融合アーカイブズおよび類似の科学技術研究資料保存施設の維持と利用・活用の推進について |