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令和4年度における大型へリカル装置(LHD)のプラズマ実験計画について
(お知らせ)

2022.8.26

自然科学研究機構 核融合科学研究所(岐阜県土岐市 所長・吉田善章)は、大型ヘリカル装置(LHD)の第24サイクルのプラズマ実験を令和4年9月29日(木)から開始しますので、お知らせします。第24サイクルのプラズマ実験では、同日から第6年次の重水素ガスを用いた実験(重水素実験)の実施を予定しており、下記スケジュール等については、7月から8月にかけて地元自治体等へ通知したところです。

LHDの重水素実験につきましては、市民の皆様のご理解と地元自治体等関係者の方々のご協力をいただき誠にありがとうございます。お陰をもちまして、LHDでは、重水素実験の実施により、核融合発電に必要な1億度を超える高温プラズマの生成技術を確立し、LHDの研究は新たな段階に入りました。昨年度の第23サイクルの重水素実験においては、米国との国際共同研究によって、ホウ素の粉末をプラズマにふりかけることにより、リアルタイムで真空容器の壁からの不純物を低減すると同時に、プラズマ中の乱流を抑制できることを明らかにしました。また、ドイツとの共同研究では、プラズマを閉じ込める磁場の構造が乱流の抑制に重要な影響を及ぼすことを明らかにするなど、今後の核融合研究の基盤となる成果を挙げることができました。

これからは、このような高温プラズマの制御に必要な乱流やプラズマ中に発生する波の発生メカニズムを明らかにする等の核融合発電を実現する上で必要な学術研究を中心に、核融合研究で得られた知見を天体現象などの理解のために普遍化する新たな研究の展開も図る予定です。

本実験サイクルにおいても、実験の安全性を最優先事項として、機器の保守点検、安全講習会、巡視等の実施、及び万が一の事故に備えた緊急連絡・対応の訓練を実施するとともに、24時間体制で監視を行っていきます。また、機器の保守点検等の作業は「新型コロナウイルス感染予防対策マニュアル」に従って行うなど、新型コロナウイルス感染症対策にも万全を期していきます。引き続き、放射線関連データや実験の進行状況を随時ホームページ上で公開する等、情報公開に努めてまいります。

 

  1. 実験期間 令和4年9月29日(木)~令和4年12月27日(火)(予定)
    (うち、重水素実験 9月29日(木)~令和4年12月2日(金)(予定))
  2. 実験時間 原則として、平日の火曜日から金曜日までの9:00~18:45
    ※月曜日や休日に実験を行う場合もあります。