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さんぽみち研究所の中や周りの自然を紹介します

進化の謎
 研究所の草地には、秋が深まった今でも飛んでいる蝶がいます。下の2枚の写真に写った蝶です。この2匹の蝶、実はツマグロヒョウモンという同じ種類の蝶です。でも翅の模様が違いますよね。蝶の多くは雌雄が同じ模様をしていて、見分けるのは簡単ではありません。でもツマグロヒョウモンは雌雄で模様が異なります。名前の由来となっている先端が黒いのがメス(写真上)、黒くないのがオス(写真下)です。メスの模様は、毒を持つカバマダラという蝶の模様を真似ていて(ツマグロヒョウモンは毒を持っていません)、鳥などの天敵から身を守るように進化したと言われています。でも、どうしてオスも模様を変えなかったのかはいまだ謎のままです。

(2021年11月5日)

photo:ツマグロヒョウモンメス

photo:ツマグロヒョウモンオス