核融合科学研究所

NIFSについて

2023.4.1

原型炉用NBI負イオン源開発開発研究連携部門

研究代表者:津守克嘉(プラズマ装置学ユニット)

原型炉用NBI負イオン源開発

プラズマ装置学ユニットでは、量子科学技術研究開発機構(QST) との研究協力として、核融合原型炉用中性粒子ビーム入射装置(NBI)の負イオン源の開発を行っています。

原型炉では外部電流駆動によるプラズマの定常閉じ込めが必要になるため、NBIによる長時間ビーム入射が可能な負イオン源が必要になります。この負イオン源に要求される条件は次のようなものです。

  1. メンテナンスフリーな高周波(RF)負イオン源の開発
  2. RF負イオン源からのビーム発散角の低減
  3. 低ガス圧での負イオン源動作
  4. セシウムを用いない負イオン生成の開拓

核融合科学研究所(NIFS)では、イオン源プラズマ•ビーム計測機器が充実したNBIを用いて、学術的な視点から上記の条件を満たす負イオン源の構築を進めています。

図1、2

原型炉用NBI負イオン源

図3、4、5

本研究では、NIFSで豊富なデータベースを有するフィラメント放電と、RF放電の両方を使用できる負イオン源(図3)を用います。特に、RFとフィラメント放電方式でのビーム発散角の相違をもたらす物理機構を解明することを目的にしています。

図4は一方向炭素•炭素ファイバー複合材(CFC)板に複数の負イオンビームを照射し、CFC板上の温度分布を赤外カメラで撮像したもので、温度分布から負イオンビームの発散角を解析します。

また、セシウムを用いない負イオン源の開発に向けて、低仕事関数を示す伝導性セメントであるエレクトライドを用いた負イオン生成法の研究を行っています。