核融合科学研究所

NIFSについて

研究所概要

核融合科学研究所が目指すもの

核融合は宇宙における元素合成とエネルギー発生の基本的メカニズムであり、星の活動を支えるエネルギー源になっています。私たちの地球環境も太陽の核融合エネルギーによって維持されています。核融合科学研究所は、核融合エネルギーを私たちが利用できる形で実現するために必要となるプラズマ物理をはじめ、ミクロな量子プロセスや材料科学、装置を構成する機器の工学技術まで、様々な研究課題に取り組んでいます。大学共同利用機関として、大型ヘリカル装置(LHD)やスーパーコンピュータなど、大型の研究施設をはじめ、様々な研究装置群を共同利用に供し、国内外の大学や研究機関との共同研究を進めることで、核融合科学の発展とともに、広く科学技術の基盤形成を推進しています。

核融合とは

核融合とは、質量の小さい原子核同士が融合して、別の重い原子核に変わるとともに、とても大きなエネルギーを発生する反応です。これは、核融合反応が起きる前の質量より、反応後の質量がわずかに小さくなり、その差に相当する質量がエネルギー(E = mc2)に変わるからです。この核融合反応は宇宙における普遍的なエネルギーの源であり、太陽などの恒星の内部では4つの水素からヘリウムが生成される核融合反応が起きていて、50億年以上にわたりエネルギーを生成し続けています。

核融合について少し詳しく

ユニットとプラットフォーム

 ユニットは、研究者コミュニティと一体となって運営される核融合科学研究所の研究組織であり、核融合科学のチャレンジを10のテーマとして掲げ、それぞれの問題を一般化することで、他分野と連携した共同研究を実現する役割を担っています。ユニット体制によって、核融合科学の発展を支える最先端の学術研究を、幅広い分野の研究者や学生の積極的な参加による学際的な共同研究として実施する体制が整備されました。

プラットフォームは、共同研究の基盤となる様々な研究装置群です。核融合科学研究所は大学共同利用機関として、大型の研究施設をはじめ、様々な研究装置群を共同利用に供し、国内外の大学や研究機関との共同研究を進めています。

学際連携・開発連携・産学官連携

核融合科学研究所では、核融合科学の学際化・学際連携、開発研究との連携、産学官連携による核融合技術の社会実装を推進しています。大学や開発研究機関、産業界との共同研究を先導・支援する総合拠点として、核融合科学学際連携センターを設置し、三つの学際的新領域とユニット群をつなぎ、既存分野の枠を超えた挑戦的・学際的な共同研究を展開します。

学際連携センター

共同研究体制

核融合科学研究所では、大学等からの幅広いニーズに対応するため、所内の施設を用いる「一般共同研究」、所外の施設を用いる「双方向型共同研究」と「核融合開発共同研究」、及び「原型炉研究開発共同研究」という四つの形態の共同研究を設け、毎年研究課題の公募を行うことで、共同利用・共同研究活動を強力に展開しています。さらに、核融合に関する国際的な研究協力の日本側の代表機関としての役割を担うとともに、国際協力による共同研究・研究交流を積極的に推進しています。その他、研究所がもつ研究成果の蓄積や研究能力などを、企業等に情報提供して、共同開発等、産学官連携活動を推進しています。

教育活動

核融合科学研究所は、将来の核融合科学を担う若手人材育成を推進するという重要な役割を担っています。大学院教育では、総合研究大学院大学先端学術院核融合科学コースにおける大学院教育を通して、国際的にリーダーシップを発揮できる研究者および高度な専門知識をもって社会に貢献する人材の育成を行っているとともに、東京大学大学院新領域創成科学研究科、名古屋大学大学院工学研究科及び院理学研究科、九州大学大学院総合理工学府と連携した大学院教育に力を入れています。さらに、特別共同利用研究員、インターンシップ等により、国内外の大学のさまざまな分野からの学生を積極的に受け入れています。

社会連携

核融合科学研究所は、核融合研究と研究所の研究活動や成果を広く社会や国民に知っていただくことを目的に、広報・アウトリーチ活動を行っています。一般の方々に研究活動への理解と最先端科学への関心を持っていただくため、毎年研究施設の一般公開(オープンキャンパス)を実施しています。また、スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)事業や、インターンシップ事業による生徒の受入など、将来の研究者育成につながる活動にも力を注いでいます。

一般の方へ