NIFS

受賞news

仲田資季助教が第14回日本物理学会若手奨励賞を受賞

日本物理学会では将来の物理学を担う優秀な若手研究者の研究の奨励のため、「日本物理学会若手奨励賞」を設けています。(**学会webページより)
仲田資季助教は、「磁場閉じ込めプラズマの乱流・輸送および同位体質量効果に関する研究」の成果に対して、第14回若手奨励賞の受賞が決まりました。2020年3月16日(月) -19日(木)に名古屋大学で開催される日本物理学会第75回年次大会において授賞式が開催されると同時に、受賞記念講演が行われます。

核融合発電では1億度を超える超高温プラズマを磁力線のカゴに閉じ込めますが、プラズマ中に発生する乱れ「乱流」が熱をプラズマの外に逃がしてしまい、高温状態の維持を妨げてしまうことがあります。この乱流によって熱や粒子がどのようなメカニズムでどの程度輸送されるか、そして、どのような条件であれば乱流を抑えることができるか?を明らかにすることは重要な研究に位置づけられています。大型ヘリカル装置(LHD)における最近の実験からも、より質量の大きい重水素プラズマでは、質量の小さい軽水素プラズマに比べて熱の輸送が小さいことが観測されました。仲田助教はスーパーコンピュータによる大規模シミュレーションによって、プラズマ中のイオン質量が乱流による熱や粒子の輸送に強く影響を与えるメカニズムを明らかにし、長年の問題の全容解明に向けた新しい研究成果を挙げました。受賞記念講演では、シミュレーション研究の最前線に加え、実験による理論検証の進展も紹介されます。