核融合科学研究所

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2023.1.30

世界初!AIが描く 天の川銀河のガス雲分布
約14万個の「星の誕生候補地」を推定

大阪公立大学

東京大学大学院理学系研究科

核融合科学研究所

福井工業大学

理化学研究所

国立天文台

研究成果(プレスリリース)

概要

大阪公立大学 大学院理学研究科 藤田 真司客員研究員(東京大学大学院理学系研究科 特任研究員)を中心とする自然科学研究機構 国立天文台 野辺山宇宙電波観測所 西村 淳 特任准教授、自然科学研究機構 核融合科学研究所ヘリカル研究部 伊藤 篤史准教授、福井工業大学工学部 電気電子工学科 宮本 祐介准教授、理化学研究所などからなる研究グループは、国立天文台野辺山45m宇宙電波望遠鏡によって詳細に観測された天の川銀河(銀河系)の一酸化炭素分子の大規模データから、星の原料となる星間分子ガス雲を約14万個同定しました。そして、人工知能を活用し、それら約14万個の星間分子ガス雲の距離をそれぞれ推定し、天の川銀河における星間分子ガス雲のサイズや質量を求め、世界で最も詳細に銀河円盤の星間分子ガス雲の分布を描き出すことに成功しました。本研究成果は、大きな星・星団を作るための重要なイベントとして考えられている“星間分子ガス雲同士の衝突”の頻度計算など、さまざまな天文学研究に波及すると期待されます。

本研究は、天文学、プラズマ・核融合学、データ科学の専門家が集合して、自然科学研究機構の若手研究者による分野間連携プロジェクトとして、その活動を開始したものです。その研究活動が実を結び、本成果をまとめた論文が、2023年1月27日、日本天文学会欧文研究報告「Publications of the Astronomical Society of Japan」にオンライン掲載されました。

本研究で得られた天の川銀河の星間分子ガスの分布
図 : 本研究で得られた天の川銀河の星間分子ガスの分布。

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掲載紙情報

発表雑誌:Publications of the Astronomical Society of Japan

論文名: Distance determination of molecular clouds in the 1st quadrant of the Galactic plane using deep learning : I. Method and Results

著者:Fujita Shinji, Ito Atsushi M., Miyamoto Yusuke, Kawanishi Yasutomo, Torii Kazufumi, Shimajiri Yoshito, Nishimura Atsushi, Tokuda Kazuki, Ohnishi Toshikazu, Kaneko Hiroyuki, Inoue Tsuyoshi, Takekawa Shunya, Kohno Mikito, Ueda Shota, Nishimoto Shimpei, Yoneda Ryuki, Nishikawa Kaoru, Yoshida Daisuke

DOI:10.1093/pasj/psac104

関連リンク

本件のお問い合わせ先
  • 研究内容について
    大学共同利用機関法人
    自然科学研究機構 核融合科学研究所 ヘリカル研究部
    基礎物理シミュレーション研究系
    准教授 伊藤 篤史(いとう あつし)
    電話: 0572-58-2381
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