核融合科学研究所

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2024.2.14

労働安全衛生に関する情報交換会(第19回)を開催

トピックス

核融合科学研究所は令和6年1月25日と26日、「労働安全衛生に関する情報交換会」を開催しました。この会合は労働安全衛生法に基づく各機関の取組や活動状況及び課題等の情報交換を目的として、法人化後の平成16年度から毎年実施しており、今回で19回目となります。全国の大学、大学共同利用機関等21機関から労働安全衛生に関わる技術職員を中心に事務職員、研究教育職員、大学等環境安全協議会評議員、及び労働衛生コンサルタントを交えた約40名が参加しました。

開会にあたり、長壁正樹安全衛生推進センター長が「この会合を労働安全衛生に関る実務担当者のよい交流の場としてほしい。」と挨拶。続いて参加した9機関から、大学における防火防災管理、請負業者間の作業管理、化学物質に関する管理業務、作業環境測定、実験設備管理等に関する延べ13件の発表がありました。化学物質リスクアセスメントの代表的評価手法であるCREATE-SIMPLE(厚生労働省)を開発した参加者からの発表では、「盲目的にCREATE-SIMPLEを使うことがリスクアセスメントではない。CREATE-SIMPLEは、作業手順や環境を適切に考慮した上で入力をしないと誤った評価結果をもたらすことが懸念される。作業手順を考え、どのようにリスクの回避を図るかを思い描くという基本姿勢を忘れないように。」という旨の開発者の思いの込められた注意喚起がなされ、質疑応答が途切れませんでした。平成28年熊本地震を経験した参加者の「棚からの物品落下防止対策は重要だが、厳重に対策を施した棚は棚ごと倒れ、物品が落下した棚は倒れなかった。物品落下防止指針を再検討している。」という旨の実体験に基づく発言からは、参加者一同令和6年能登半島地震を想起しつつ、災害時の避難経路維持に関わる新たな視点を得ました。

また、本会合に併せて研究所の大型ヘリカル装置(LHD)を含む実験施設の見学会が催され、参加者からは実験装置の巨大さや制御室の大スクリーンに映し出されるプラズマ映像の迫力などに驚きの声があがった他、見学経路上の消火設備、防災救護器具、安全標識、高圧ガスボンベ、棚の固定状況等に関し安全衛生上の鋭い質問や指摘もあり、同行した研究所の安全衛生スタッフは着眼点の異なる気づきの機会を得ました。

4年ぶりの現地対面開催ということで、休憩の合間にも会場各所で活発な意見交換の様子がみられました。研究所の宿泊施設で開かれた懇親会では、労働安全衛生にまつわる現場実務の「あるある話」や「本音話」に花が咲き、全国の国立大学機関等の現場実務担当者が対面で集まり、率直に意見交換できる場の貴重さを参加者一同再認識するとともに、研究所スタッフ一同は大学共同利用機関として果たすべき責務の念を新たにしました。長壁センター長は、閉会の挨拶で「皆さんの様々な業務活動を聞かせてもらい、私たちも大変勉強になった。今後ともこの会合を続けていきたい。」と述べ、本会合を締めくくりました。末尾ながら本会合の開催にご協力いただきました皆様に感謝します。

大学・大学共同利用機関等21機関の参加者(一部)
大学・大学共同利用機関等21機関の参加者(一部)
熱心に耳を傾ける参加者
熱心に耳を傾ける参加者
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